マンショントラブルでもっとも多いのは何だと思いますか?そうです。騒音トラブルです。中でも特に多いのが上下間の騒音問題です。マンションの床の遮音性能にもっとも影響するのが、床板=スラブの厚さです。マンション選びの大切なポイント、スラブについてまとめました。
マンションでは騒音トラブルがもっとも多い
出典: suumo.jp
マンションでもっとも多いトラブルは、騒音に関するものです。外からの音は、建物の周辺の環境である程度予想もつくのですが、上下左右からの音は、住んでみないと分らないことも多いのです。
特に床からの音は、マンションの構造の影響が大きく、後から対処するのが難しいので、建物選びの段階で注意しなければならない部分です。
床の遮音性を決める”スラブ”とは
スラブとは、マンションのような建築物に使われる、鉄筋コンクリートの床板のことで、木造の床はスラブとは呼びません。スラブは、主に2階以上の下が空間になっている床で用いられ、1階の床板にスラブを使うことはあまりありません。
出典: www.389m.com
コンクリートスラブがそのまま出ているスケルトン状態のマンションです。このスラブの厚さが、マンション選びの、大切なポイントのひとつなのです。と言うのは、マンションの床や天井の遮音性は、スラブ厚に大きく左右されるのです。
スラブの厚さで軽減する音とは
とはいえ、床の遮音性はスラブ厚だけで決まるわけではありません。ここからは、マンションの床の防音でチェックしたいポイントを紹介します。
床の音には2種類あります
出典: www.eikouhome.co.jp
床から直接振動が伝わってくる音を床衝撃音といい、これには2種類の音があります。子どもが飛び跳ねたときの「ドスン」に代表される、鈍く低い音の重量床衝撃音と、固いものが床に落ちたときの「コツン」に代表される、軽く高い音の軽量床衝撃音です。
スラブ厚で軽減されるのは重量衝撃音
出典: kidtimes.wordpress.com
子どもが飛び跳ねたときの、ドスンという音や、床を踏みしめて歩く音といった、重く鈍い音を、重量床衝撃音といいます。スラブの厚さが影響するのは、この重量衝撃音で、スラブの厚さに比例して遮音性能が上がります。
重量衝撃音は、スラブの厚さで遮音性能が決まることから、消音マットレスなどでは効果がでないため、トラブルになりやすく、後から変更もできないので、特に注意が必要なのです。
軽量衝撃音は床材の遮音性能で
出典: 3days-blog.blogspot.jp
一方の、スプーンを落したときのコツンという音や、スリッパでパタパタ歩く音といった、軽くて高いて軽量床衝撃音はスラブの厚さでは緩和されません。軽量衝撃音は、床材の遮音性能によって決まるのです。
軽量衝撃音は、遮音マットレスや遮音フローリングによって緩和されるほかに、2重床も軽量衝撃音に効果があります。
2重床は太鼓現象に注意
出典: www.re-port.net
床や天井をすっきりとさせ、リフォームなどの可変性も高いのが2重床です。2重床は、軽量衝撃音のほかにも、会話や楽器の音のような空気によって伝わる音も軽減され、防音効果の高い床となっています。
しかし、重量衝撃音は2重床の太鼓現象によって悪化する場合があるのです。これは床下の空気が抜けるような施工法によってカバーできるので、2重床のマンションを選ぶさいはきちんとチェックしておきましょう。
200mm以上は欲しいスラブ厚
出典: s.webry.info
一般に、防音効果が得られるスラブ厚は、200mm以上と言われています。が、遮音性能はスラブの厚さだけが問題となるわけではありません。スラブの種類や、施工法によって防音効果の違いがでることもあるのです。
スラブ面積による違い
スラブを支える梁に囲まれた面積の広さによっても、遮音性能はかわってきます。
出典: comodospace.co.jp
スラブを支える梁は、写真のように、小梁や下がり天井として現れます。圧迫感があると嫌われがちな凹凸のある天井ですが、遮音性は、この数も影響してきます。
スラブ厚200mmの場合には、梁で囲まれた面積が30平方m以上になると、スラブ振動が大きくなり、重量衝撃音が聞こえるようになると言われています。
スラブの種類による違い
スラブの種類によっても、遮音性能はかわります。ボイド(中空)スラブの場合、一般的なコンクリートスラブと同じ遮音効果を得るには、より厚さが必要になります。
出典: nakandakari.ti-da.net
スラブには、鉄筋コンクリートでできた一般的なコンクリートスラブと、中を空洞にしたボイド(中空)スラブがあります。
ボイドスラブとは、中を空洞にすることによって重量を増やすことなくスラブの厚みを増したスラブで、梁のないすっきりした天井ににできますが、中の空気を伝って振動が伝わりやすくなることがあります。
ボイドスラブで遮音効果を得たい場合には、300mm以上のスラブ厚が必要といわれています。
最近では、遮音性能を上げるために、中に吸音材を入れた遮音性の高いボイドスラブが開発されてきています。
スラブ厚の調べ方
スラブ厚を調べる際にもっとも確実なのは、竣工図を確認することです。
出典: doop.co.jp
竣工図とは、建物が完成した際の細部情報を記載したものです。これは管理組合が保管していることが多いので、気になる物件があれば問い合わせてみましょう。
図面がよく分からない場合には、売主の担当者に直接問い合わせて、具体的な数値を聞くこともできるようです。
スラブ以外にも気をつけたいポイント
最後に、スラブ以外が問題となる場合を紹介します。生活音は誰しも出すものです。それが、トラブルにまで発展してしまうのは、建物の問題だけでとは限りません。
フローリングにリフォームする
出典: kagami-renovation.com
フローリングにリフォームすることで騒音問題に発展する場合もあります。軽量床衝撃音は、床材の材質によって変化するので、元もとの床材がクッションフロアやカーペットだったものをフローリングに変更すると、それまでよりも遮音性が下がってしまうからです。
フローリングにリフォームする際は、元もとの床材と同等の遮音性能をもった材質のものにする必要があります。
生活時間が違う
出典: www.berry-counseling.com
ライフスタイルの多様化によって起きてきたのが、生活時間が違うことによる騒音問題です。子どものいる家庭と、勤務時間が早朝や深夜などという場合には、普通に生活していても、お互いに騒音と感じることにもなりかねません。
家族構成がよく似たファミリー向けや、独身者向けなどの物件を選んだり、大家さんに尋ねて隣接するお宅の生活時間を確認するのも手ですね。
近所への配慮不足
出典: www.trbl.biz
騒音トラブルがむずかしいのは、それが「感情公害」だからという側面があります。嫌な人の出した音や、よく知らない人が出した音は、より不快に感じるものです。
集合住宅で暮らしていることを念頭に置いて、お互いが共同生活者として、ルールやマナーをきちんと守り、隣人への配慮を忘れないことも大切です。
コミュニケーション不足
出典: nanapi.jp
どこかの子どもが出す騒音と、よく知っている○○ちゃんが出す音とでは、受け取る側の感じ方がちがいます。
隣近所とのおつきあいの減った現在ですが、挨拶や声かけなどをして、コミュニケーションをとっておくことは、トラブルを未然に防ぐことにも繋がります。
出典: suumo.jp
マンションでもっとも多いトラブルは、騒音に関するものです。外からの音は、建物の周辺の環境である程度予想もつくのですが、上下左右からの音は、住んでみないと分らないことも多いのです。
特に床からの音は、マンションの構造の影響が大きく、後から対処するのが難しいので、建物選びの段階で注意しなければならない部分です。
スラブとは、マンションのような建築物に使われる、鉄筋コンクリートの床板のことで、木造の床はスラブとは呼びません。スラブは、主に2階以上の下が空間になっている床で用いられ、1階の床板にスラブを使うことはあまりありません。
出典: www.389m.com
コンクリートスラブがそのまま出ているスケルトン状態のマンションです。このスラブの厚さが、マンション選びの、大切なポイントのひとつなのです。と言うのは、マンションの床や天井の遮音性は、スラブ厚に大きく左右されるのです。
とはいえ、床の遮音性はスラブ厚だけで決まるわけではありません。ここからは、マンションの床の防音でチェックしたいポイントを紹介します。
出典: www.eikouhome.co.jp
床から直接振動が伝わってくる音を床衝撃音といい、これには2種類の音があります。子どもが飛び跳ねたときの「ドスン」に代表される、鈍く低い音の重量床衝撃音と、固いものが床に落ちたときの「コツン」に代表される、軽く高い音の軽量床衝撃音です。
出典: kidtimes.wordpress.com
子どもが飛び跳ねたときの、ドスンという音や、床を踏みしめて歩く音といった、重く鈍い音を、重量床衝撃音といいます。スラブの厚さが影響するのは、この重量衝撃音で、スラブの厚さに比例して遮音性能が上がります。
重量衝撃音は、スラブの厚さで遮音性能が決まることから、消音マットレスなどでは効果がでないため、トラブルになりやすく、後から変更もできないので、特に注意が必要なのです。
出典: 3days-blog.blogspot.jp
一方の、スプーンを落したときのコツンという音や、スリッパでパタパタ歩く音といった、軽くて高いて軽量床衝撃音はスラブの厚さでは緩和されません。軽量衝撃音は、床材の遮音性能によって決まるのです。
軽量衝撃音は、遮音マットレスや遮音フローリングによって緩和されるほかに、2重床も軽量衝撃音に効果があります。
出典: www.re-port.net
床や天井をすっきりとさせ、リフォームなどの可変性も高いのが2重床です。2重床は、軽量衝撃音のほかにも、会話や楽器の音のような空気によって伝わる音も軽減され、防音効果の高い床となっています。
しかし、重量衝撃音は2重床の太鼓現象によって悪化する場合があるのです。これは床下の空気が抜けるような施工法によってカバーできるので、2重床のマンションを選ぶさいはきちんとチェックしておきましょう。
出典: s.webry.info
一般に、防音効果が得られるスラブ厚は、200mm以上と言われています。が、遮音性能はスラブの厚さだけが問題となるわけではありません。スラブの種類や、施工法によって防音効果の違いがでることもあるのです。
スラブを支える梁に囲まれた面積の広さによっても、遮音性能はかわってきます。
出典: comodospace.co.jp
スラブを支える梁は、写真のように、小梁や下がり天井として現れます。圧迫感があると嫌われがちな凹凸のある天井ですが、遮音性は、この数も影響してきます。
スラブ厚200mmの場合には、梁で囲まれた面積が30平方m以上になると、スラブ振動が大きくなり、重量衝撃音が聞こえるようになると言われています。
スラブの種類によっても、遮音性能はかわります。ボイド(中空)スラブの場合、一般的なコンクリートスラブと同じ遮音効果を得るには、より厚さが必要になります。
出典: nakandakari.ti-da.net
スラブには、鉄筋コンクリートでできた一般的なコンクリートスラブと、中を空洞にしたボイド(中空)スラブがあります。
ボイドスラブとは、中を空洞にすることによって重量を増やすことなくスラブの厚みを増したスラブで、梁のないすっきりした天井ににできますが、中の空気を伝って振動が伝わりやすくなることがあります。
ボイドスラブで遮音効果を得たい場合には、300mm以上のスラブ厚が必要といわれています。
最近では、遮音性能を上げるために、中に吸音材を入れた遮音性の高いボイドスラブが開発されてきています。
スラブ厚を調べる際にもっとも確実なのは、竣工図を確認することです。
出典: doop.co.jp
竣工図とは、建物が完成した際の細部情報を記載したものです。これは管理組合が保管していることが多いので、気になる物件があれば問い合わせてみましょう。
図面がよく分からない場合には、売主の担当者に直接問い合わせて、具体的な数値を聞くこともできるようです。
最後に、スラブ以外が問題となる場合を紹介します。生活音は誰しも出すものです。それが、トラブルにまで発展してしまうのは、建物の問題だけでとは限りません。
出典: kagami-renovation.com
フローリングにリフォームすることで騒音問題に発展する場合もあります。軽量床衝撃音は、床材の材質によって変化するので、元もとの床材がクッションフロアやカーペットだったものをフローリングに変更すると、それまでよりも遮音性が下がってしまうからです。
フローリングにリフォームする際は、元もとの床材と同等の遮音性能をもった材質のものにする必要があります。
出典: www.berry-counseling.com
ライフスタイルの多様化によって起きてきたのが、生活時間が違うことによる騒音問題です。子どものいる家庭と、勤務時間が早朝や深夜などという場合には、普通に生活していても、お互いに騒音と感じることにもなりかねません。
家族構成がよく似たファミリー向けや、独身者向けなどの物件を選んだり、大家さんに尋ねて隣接するお宅の生活時間を確認するのも手ですね。
出典: www.trbl.biz
騒音トラブルがむずかしいのは、それが「感情公害」だからという側面があります。嫌な人の出した音や、よく知らない人が出した音は、より不快に感じるものです。
集合住宅で暮らしていることを念頭に置いて、お互いが共同生活者として、ルールやマナーをきちんと守り、隣人への配慮を忘れないことも大切です。
出典: nanapi.jp
どこかの子どもが出す騒音と、よく知っている○○ちゃんが出す音とでは、受け取る側の感じ方がちがいます。
隣近所とのおつきあいの減った現在ですが、挨拶や声かけなどをして、コミュニケーションをとっておくことは、トラブルを未然に防ぐことにも繋がります。
コツ・ポイント
いかがでしたか?ここでは、床から直接響く音に関してまとめましたが、窓からや壁から聞こえる音の問題ももちろんあります。これらは事前の下調べが必要です。ただ、騒音がトラブルになるかどうかは、配慮や思いやりなど日ごろのコミュニケーションもものを言います。お互いがよき隣人として暮らせるのがベストですね。