子どもに物心がついたころ、親は、いくらお小遣いをあげようか、ご褒美をあげたほうがいいのか、など子どもにお金を渡すことを考えるでしょう。これまでは買ってもらっていたものが、自分でお金を払うことで手に入るということを学習し、子どもの今後のお金との付き合い方を左右する結構大切なこと。正しく覚えてもらいたいものですよね。
■感謝の気持ちを持たせる
幼少期は、褒めることが継続につながる時期です。「ありがとう」と褒められることが嬉しくて、何度も何度も手伝ってくれるでしょう。「ありがとう」はお金には代え難いごほうびの材料なのです。お金でごほうびに代える前に、感謝の気持ちを伝えましょう。また、人の役に立つ経験をして、感謝されることで、自分も何かをもらったり、人に良くしてもらったときに感謝の気持ちを持てるようになります。
■根気強く我慢を覚えさせる
子どもはお金に限らず根気強さが必要です。もとから根気強い子どもも、多くはないのでご安心を。それよりも、自分の欲求をコントロールできない子どもにはさせたくないですよね。今ある現状を正確に伝え、本当に必要か示し、諦めさせることにも意味があります。
今は、子どもが可哀想…と甘く接してしまう親御さんも増えているそう。でも、小さい額ならできてしまうことでも、将来子どもに高額のお金がかかるときになって親が後々苦しい思いをしてしまいますし、最終的には子どものためにはなりませんので、注意です。
■ものを大切に扱うことを教える
おもちゃやお絵描き道具など、いつも手元にあるものが無くなる…これは遊び盛りのお子様ならあることです。でも、無くしたからといって新しいものを買えば良いや、と親が考えてしまうと、子どももそうなってしまいます。まずは一緒になって探し、ものを大切にすることを教えてあげましょう。子どもはお金を払えばものが買えることは知っています。ものを大切にすることで無駄のないお金の使い方を学習させてあげましょう。
■がんばりをきちんと評価する
がんばったトークン(ごほうび)は小分けにすること。もし、お子さんがテストでいい点をとってきたらご褒美をあげるのも悪くありません。でも、極端に「テストで100点を取ったから1万円」よりも、「日頃のお手伝いで10円、お買い物で20円…(○回すれば本が一冊買えるだろう)」のようなトークンのほうが、ずっと賢い子に育ちます。要するに、使い道がわからないくらい高額なおこづかいを1回であげるのではなく、「がんばった分に対しての対価」を日頃から意識しましょう。
■貯める楽しみを覚えさせる
また、それを貯める習慣があれば尚更◎です。子どものうちから、小さな額を大きな額にするという楽しみを覚えさせ、ゲームのように楽しく貯金をしてみましょう。これは通帳の預金ではなく現金だからこそ楽しめる方法です。
ただし、一定金額になったら責任をもって預金しましょう。それは親の役目です。写真のように、紙幣をたぶらかせるような習慣は良くありません。貯金も、経過をしっかり見てあげることも大切ですね。
コツ・ポイント
よく、「子どもにはお小遣いをあげないほうよい」という議論もありますが、あげてから放置するのではなく、使い道や貯める必要性を学ぶチャンスを活かしてあげましょう。学習や経験の機会を持つことは、少なくとも社会勉強として必要です。つまり、お金の使い方次第ということだと思います。
また、全くお金を与えないと、まわりの友達はもらっているのに自分だけもらえないという孤独感を味わいます。一度や二度使い方に失敗しても、小さな額ですので、お金はどのようなものか、そしてどれだけ尊いものかを自分で実感させることが大切なのではないでしょうか。