世界の優れた建築デザインを評価する『世界建築フェスティバル』が10月にシンガポールで開催される。商業施設や学校からアパートや家までさまざまなカテゴリーごとに世界ナンバーワンデザインを競う。審査員は世界中から選ばれた有識者。今年はどんな建物が選ばれるのか楽しみだ。今回は、昨年(2013年度)の受賞者の中から、『家』の分野でナンバーワンになったデザインをご紹介。
オーストラリアの家族4人の家
オーストラリアのブリスベンの自然に囲まれたロケーション。ごく普通の木造平屋住宅に見える。
目を見張るデザインが隠されていました
高さを利用した一目では難解なデザイン。いったいどうなっているのでしょう。
内部の様子 自然に囲まれ眺めもすばらしい
建築のプランを始めた頃に居なかった子どもたちが遊んでいる姿を見るのが実に嬉しいという。
大学で建築学を専攻していたふたりが10年前に見つけた場所
実は、この家を『残り物の家』と呼んでいる。二つの隣接する建物に挟まれた窮屈な土地に立っているらしい。完成まで10年費やした。
階段や廊下は万能の役割をになう
実はこの家、建物の幅が3mほどしかないらしい。階段は重要なコミュニティの場。ベンチに、そして子どもの遊び場に、本を読むライブラリーや会話の場所にも。
自然に溶け込んでいる
鳥の鳴き声が聞こえて来そうな自然に囲まれた様子はまるでリゾート。
隣接する家のプライバシーを考慮した窓の形状
窓はパネルがパタパタと動いて風通しが出来るような特殊な形。不利な点を楽しむかのようなデザインアイデア。
この家の図面はこちら
ずいぶん複雑で難解 10年かかったのは納得。
10年かかって家が完成と同時に家族も増えた
大学を卒業したばかりだったふたり。10年間のうちに、結婚から二人の子どもたちと家族が増えた。すべて家の建築とともに。
コツ・ポイント
納得する住まいを手にいれるには時間と労力がかかる。住まいの条件は100%思い通りには行かないものだ。デザインとアイデア次第で、不利な点は有利な味のあるものに変えることが出来、人の家族の生活をも変える。デザインの可能性は無限大だ。