外はまだ肌寒くても、ガラスを隔てたお部屋の中はお日様に暖められてぬくぬくです。明るい室内で読書をしたり、お客さんを招いてお茶をしたり、家族での団らんや、庭を眺めがならお昼寝しちゃったり。そんなくつろいだ贅沢な時間を過ごせるのはサンルームだけ!日本ではまだまだマイナーなサンルームを紹介しちゃいます。
サンルームってどんなもの?
サンルームとは
日本ではあまり耳慣れない響きのサンルーム、いったいどんなものなのでしょうか。
サンルームとは、日光浴を目的に作られた部屋のことをいい、陽光を多く採りこめるようなガラス張り、またはガラス窓などの開口部が広くとられているデザインが一般的です。
イメージ的には、昔からの縁側を壁やガラス窓で囲んでお家の内側に作ったような感じでしょうか。新築の段階で設計に盛り込むこともあれば、あとから、庭の一部やベランダなどをサンルームにリフォームするケースもあります。
日本では、ガーデンルームという商品もあり、ガーデンルームとサンルームは区別されているようです。
一方欧米では、一般にサンルームの定義は少し曖昧で、サンルームの別名としてガーデンルームと呼ばれることもあり、構造・機能上の違いはほぼ変わりません。
サンルームは、特にヨーロッパ、アメリカ、オーストリアなどの寒い国で人気があり、その土地その土地で発達したために、ガーデンルームの他にもソラリアム・サンパーラー・サンポーチ・サンラウンジ・パティオルーム・ウィンターガーデンなど多様な形態と呼び名を持っています。
出典: www.victorianweb.org
少し様子が変わるのはコンサバトリーで、イギリスでは、19世紀初頭に世界中から収集してきた熱帯植物などを”コンサーブ” (conserve=保存)する温室をコンサバトリーと呼んでいましたが、それから派生したサンルームもコンサバトリーと呼ばれるようになりました。
そのため、コンサバトリーと言った場合には、現在でもガラスで覆われた華麗で、豪華なヴィクトリアン調の温室風のサンルームを指すことが多いです。
出典: www.houstonchronicle.com
一説によると、いま私たちが見るようなイメージのサンルームは16世紀のイタリアで生まれたと言われています。
現在では、リビングルームに併設した形で建てられ、庭と部屋の中間的な意味合いを持つ、外へ張り出した形の部屋をサンルームと呼ぶことが多いです。
昔ながらの伝統的サンルーム
出典: commons.wikimedia.org
伝統的なサンルームは、中央にお茶や茶菓子を置けるような小さなテーブル、その周りに数人掛けのソファーや、くつろげる椅子を配置しているスタイルです。
ぽかぽか暖かい、適度な日の光の射す気持ちのいい部屋でおしゃべりをしたり、カードゲームをしたり、趣味にふけったり。こんなサンルームでは本当に優雅なときを過ごせそうですね。
少しゴージャスなサンルームは、ときにはコンサバトリーやソラリアムと呼ばれることもあります。たいていは庭に面していて、室内にいながらにして四季折々の自然を楽しめるようになっています。
出典: www.stylenorth.ca
これは、カナダの19世紀半ばに建造されたヴィクトリア様式とエドワード様式が混在したサンルームです。現在は博物館になっていますが
大きな開口部、中央の小卓、それを囲むように置かれた揺り椅子は伝統を踏襲しています。
置いてある椅子が「揺り椅子」という選択が、まさに、サンルームが家庭の中でどんな位置にあり、どのように使われていたかが想像できて楽しいですね。
出典: www.frankphillipshome.org
1930年代に実際に使われていた、アメリカ合衆国オクラホマ州の個人宅のサンルームです。休日の午後を家族や親しい友人とゆったりと過ごしていたんでしょうね。
出典: www.whitehousemuseum.org
ホワイトハウスにサンルームがあるのをご存じでしたか?
建物の3階にあり、1920年頃に建造されて以来、何度もリフォームされています。これは、1992年頃の写真です。
出典: www.whitehousemuseum.org
サンルームでくつろぐニクソン大統領夫妻。
きっと、歴代の大統領は激務の間に、つかの間の休息をここでとり、リフレッシュしてから、再び仕事に戻ったのでしょう。
出典: www.bbc.co.uk
初期のサンルームは1800年代半ばから後半にかけて、絵画の題材にもしばしば取り上げられています。
英国の画家、ハリー・ブラウンは「コンサバトリーでお茶を」という油彩画で、ブルジョアの女主人が女友達とおしゃべりしながらアフタヌーンティーをゆったりと楽しむ様子が描かれています。暖かい日だまりの中でのおしゃべりは弾んだでしょうね。
出典: www.blog-arte.net
フランス、印象派の画家ジェームズ・ティソ(James Tissot )も1875年から78年頃に「コンサバトリーで」という絵画を描いています。
身なりの良い紳士淑女がお茶を飲みながら優雅に集うサロンの様子が描かれ、当時の上流階級の市民の流行だったことがうかがえます。
サンルームは家計の味方のエコシステム!
出典: www.design4renovations.com
パッシブソーラーって聞いたことありますか?自然のままに入る太陽熱を利用して、快適な室内環境を整えるシステムのことです。天気の良い日中であれば暖められた室内の空気は、エアコンなどの暖房設備をとめても十分過ごせるほど上昇します。
また、寒い冬でも洗濯した衣服がすぐに乾くので、とても経済的です。自然へのインパクトが少なく、エコでもあるサンルーム。
ですが、真夏は高温になりすぎないようにブラインドや遮光カーテンで採光量を調節する、冬は室温の低下を防ぐために断熱効果の高い真空ガラスの窓を入れるなどの工夫をすることで、さらに経済的な環境になります。
目次
■ 多様なスタイルのサンルーム
■ サンルーム応用編
■ サンルームに置きたいインテリア
多様なスタイルのサンルーム
お部屋にもいろいろなスタイルがあるように、サンルームにもたくさんのバリエーションがあります。その種類は数え切れないほどありますが、ここでは素材やデザインから分類した10タイプのサンルームをご紹介します。それぞれ、個性的に居心地の良さを追求したサンルームをご覧ください。
まずはオーソドックス、モダンスタイル
落ち着いた色調でスタンダードなデザイン。いつの時代にも合うモダンスタイルは、サンルームのお部屋作りでも人気です。
無地で落ち着きのある、正統派のファブリックは渋い暖色系の色味でまとめられ、シンプルなデザインなのに温かみがあります。伝統的な英国様式を継承したサンルームにぴったりのくつろぎの空間を作り出しています。
出典: www.archilovers.com
同じシンプルでもスタイリッシュな、イタリアンモダン様式の新しいタイプのサンルームには、デザイン性の高い家具が良く合います。
アメリカならではのカントリー風
出典: www.oldhouseonline.com
このサンルームは、木肌の色や質感が生かされた、オイル塗装で仕上げられています。温かみがある木材は、明るく温かな素材感が特長のパイン材です。
「田舎」風、という名前通り、インテリアにも竹や籐などの天然素材の、素朴で味わい深い家具が良く似合います。
装飾の少ないシンプルなサンルームは、質素ですが居心地が良く、どこか懐かしい優しい雰囲気に仕上がっています。
生活感のあるラグや、洗いざらしのコットンクロスのソファーカバーが、カントリーテイストを盛り上げてくれます。
シンプル&ミニマムでかっこよくきめる
近代的なミニマルアーキテクチュアのサンルームです。余計な装飾を排した、必要最小限の直線的なラインで構成されています。
機能性・デザイン性を最も重視したシャープなデザインでありながら、冷たい印象にならないのは、点描のような繊細な表情のすかし窓や、ピュアホワイトではなくベージュ系のファブリックや暖色系の室内照明でまとめたからです。太陽の軌道によって光がうまく採り入れられるように屋根にも天窓が取り付けられています。
ホワイトカラーで部屋を明るく
出典: www.designmag.it
サンルームの、「太陽の光を最大限に利用する」というコンセプトに最も適した色調は白で、実際に、多くのサンルームがホワイトや、淡いアイボリーベースで建てられています。
壁面に広くとられた大きな窓から存分に入ってくる日の光は、白の効果で補強され、部屋全体をクリアで、洗練された雰囲気の明るい空間にしてくれます。また、白は膨張色であり、室内を広く錯覚させる効果もあるので、とくに、よく見られる小さめのサンルームには、おすすめの色です。
出典: www.designmag.it
このサンルームのように、床に温かみのあるテラコッタ風のタイル地を敷き詰めて、ホワイトでも、籐で編み上げた家具をセレクトすると、白でも冷たい印象になりません。大きな窓と窓の間にわずかに見える壁の淡いベージュも暖かい雰囲気をつくっています。
まるでバカンスのよう?エキゾチックな南国風
出典: www.homedit.com
西洋とオリエンタルテイストが折衷したコロニアル様式風のインテリアが、エキゾチックな印象のサンルームです。
天然の木や竹の手工芸風家具が、開放的でゆったりとした空間づくりに一役買っています。こんなサンルームでなら日常を忘れて、リゾートにきた気分でリフレッシュできそうですね。
出典: www.mydesignchic.com
カントリー風の明るいパイン材とは逆に、ダークブラウンの色調の調度が、シックで上品な雰囲気を演出します。高さが低めの民芸風家具と開放的な大きな窓のおかげで、部屋のどこにいても外の風景が眺められる贅沢が味わえるサンルームです。
お庭に迷い込んだみたいなガーデンスタイル
出典: yacineaziz.com
このタイプのサンルームは、元々は温室だった英国伝統のガーデンルーム「コンサバトリー」の特長を最も濃く受け継いでいます。
出典: mondodesign.it
通常は屋根まですべてガラス製なので、室内にいながら日の光をたっぷりと浴びることができます。
それだけではなく、室内に居ながらにして、まるで戸外の自然の中でくつろいでいるかのように錯覚させてくれます。緑の癒やされる空間での自然とのふれあいが緊張をほぐし、リラックスさせて気持ちを穏やかにしてくれるサンルームです。
鮮やかなビタミンカラーで元気に、カラフルスタイル
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気分転換に、代わり映えしない白い壁をカラーに塗ったら、なんだか部屋が暗くなったと感じたこと、ありませんか?
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ふつうのお部屋よりも光量がだんぜん多いサンルームなら、窓枠や壁面に色を塗っても暗くなりません。黄色やオレンジなどのポップなビタミンカラーなら、気持ちを明るくして嫌なことがあってもふきとばしてくれそうです。
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実際に、色彩心理学では色は視覚から働きかけて、人に影響を与えると言います。
たとえば、オレンジや黄色は幸福や活力、賑やかさを感じたり、陽気な気分にしてくれるなどポジティブなイメージで、気持ちを前向きにしてくれる社交的な色と言われています。
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まさに、サンルームに最適ですね。光がたっぷりだからこそ、カラーで遊べます。ビタミンカラーを取り入れると、元気にリフレッシュできるサンルームが作れます。
厳選されたデザインに囲まれたおしゃれな空間を演出
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このタイプのサンルームは、趣味やこだわりを持つ人に最適です。選び抜かれ、ディテールに凝った、ファニチャーが上質な大人の趣味の空間を作り上げます。そこは、雑然としているようでキチンと調和したスペースです。
明るい日差しの中で、好きなものに囲まれて過ごす時間は本当に贅沢です。サンルーム自体のスタイルは、伝統的でありながら、存在感のあるファニチャーをプラスした風格あるテイストのサンルームです。
重厚でゴージャスなヴィクトリア様式風
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正統な英国ヴィクトリア様式のコンサバトリータイプのサンルームは、多角形の温室に部屋をそのまま作ったかのような構造上の特徴があります。
基本的に壁面・屋根がほぼガラス材で覆われており、アメリカではフロリダルームと呼ばれます。そのため主に春や秋にお庭の眺めを味わい、冬期には太陽の日差しや暖かさを楽しむために使われます。
一般的にサンルームは部屋の延長として建てられ、屋根などは不透過の堅牢な素材で建てられることが多く、あくまでも室内でくつろぐイメージです。一方屋根は75%、壁面は50%以上をガラス材やそれに変わる透明の耐熱ガラスに覆われたコンサバトリータイプのサンルームでは、まるで庭に座っているかのような感覚を味わうことが出来ます。
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上品でエレガントな造形のヴィクトリアンタイプのサンルームには、ヨーロピアン調の、歴史と伝統に裏打ちされた、重厚で格式高い調度が良く合います。
出典: mydecorative.com
オーク材などでできた家具の色味はダークブラウン系の背が低めのものをセレクトすると、品格がありながら、圧迫感のないスペースが演出できます。
ウッド調で落ち着く空間、ナチュラルスタイル
出典: www.designrulz.com
植物に囲まれた空間は神経を休め、落ち着かせてくれると言いますが、木の風合いがそのまま生かされたサンルームにも同様の効果があります。
出典: blogtest.vhtstudios.com
ナチュラルな木地は、傷すら経年変化とともに味になっていきます。
飽きがこず長く使えて、ときが経つほどに深みを増していくウッド調のサンルームは、日本人にはどこか懐かしく、穏やかな時間を演出してくれます。
なじみ深い木の香りや木肌の質感が優しく、自然な光が似合う、そんなサンルームです。
え!?こんなところまで?用途に適したサンルームの応用
サンルームってどんなものなのかな、というイメージは何となくできましたでしょうか?
サンルームにはいろいろなタイプがありますが、共通しているのは太陽熱を利用してお部屋の温度を暖かく保ったり、お日様の光で部屋を明るくしたりできるところです。現在では最新の技術や素材、構造上の工夫などで夏期の気候にも対応していますので、暑すぎて困ることはあまりないでしょう。
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そのまま気軽にお部屋の延長としてつかえるので様々な用途に適しています。工夫やアイディア次第でいろいろな楽しみ方ができるサンルーム。
ここからは、シーン別・目的別のサンルームをご紹介します。
スタンダードなリビングやダイニングユースから意外なところに活用されていたりと、驚きのサンルーム事情をご覧ください。
一番人気はなんといってもリビングルーム
普通の家でも最近は特に、リビングやダイニングの窓を大きくとる、吹き抜けで採光を確保するなど、太陽光を積極的に取り入れるスタイルになってきました。いつも誰かがいて、家族の団らんの中心となるリビングルームに日の光がたっぷり射していると、家のムードも明るくなりますよね。
リビングルームタイプのサンルームはこの欲求を満たしてくれます。
大きな壁ガラスからは光が差し込み、部屋を十分に照らすので電気は必要ありません。ガラスのおかげで、戸外の庭まで、目線を遮ることなく見渡せるので、開放感があり、部屋が広く見えます。
日の当たるダイニング&キッチンは食事もすすむ
出典: www.malbrook.co.uk
ダイニング&キッチンタイプのサンルームもとても人気があります。明るく、暖かい食卓でのごはんは、食欲を増進してくれます。
また、リビングに続き、家族が集まって過ごす時間が長いのがダイニングキッチンです。学校から帰った子どもたちや、お母さんたちは長時間ダイニングキッチンで過ごしますよね。
出典: www.malbrook.co.uk
そこで、ダイニングキッチンで皆が気持ちよく過ごせるようにするため、画像のダイニングキッチンでは、ダイニングからリビングまでの屋根もガラス材を使用し、採光性に優れたサンルームにして、薄暗くなりがちなキッチンには天窓をつけるなどの工夫をしています。
リラックスしながらゆっくり読書:書斎
書斎は薄暗い方が集中できるような気もしますが、書斎タイプのサンルームもあります。
最近のトレンドは、ガラス張りの面積率が高い設計の図書館なんですよ
もちろん、日中の電気の使用を控えることにつながり、経済的な効果もありますし、目の健康にも良いですが、明るい空間での読書はなんといっても開放感が気持ちよいです。
暗くかび臭い空間ではなく、明るく、モダンでやわらかなスペースでの読書ははかどりそうです。
日の光で目覚める:ベッドルーム&サンルーム
出典: www.atelierdelriuso.it
太陽の光は、人間の体内時計をリセットしてくれるそうです。だから、日の光で自然に目覚めるのが爽やかに朝を迎える秘訣だとか。
寝転がると、ちょうど空や、庭が眺められる開放的なベッドルームは、もちろん、朝はお日光がたっぷりとふりそそいでくれます。こんなサンルームならすっきりと目覚められそうですね。
出典: www.blog.designsquish.com
ベッドルームはゆったりと安らげる場所でありたいものです。屋根裏部屋風のサンルームの、屋根全体に大きくとられた天窓の下にある横木は、太陽の光をほどよくカットしてくれる効果があります。
プラントを吊す支えの役割も担っていて、部屋の中も、外にもたくさんの緑に囲まれ、穏やかな光に満ちた、優しい空間では素敵な夢が見られそうですね。
昼は太陽、夜は満天の星を堪能、ガラス張り天井の屋根裏部屋
出典: inhabitat.com
昼は日光浴、夜は満天の星を楽しめるこの空中庭園に似たサンルームは、19世紀の長屋をリフォームされた現代的鋸屋根を利用した屋根裏部屋で、今はパッシブソーラー暖房のシステムがつけられています。
パッシブソーラーとは、冒頭でも簡単に説明しましたが、日射熱利用のエコデザインのことで、太陽熱を利用した放射冷暖房システムによって、冷房や暖房を使用しなくても、室内は適温に保たれるようになっているということです。
出典: homemydesign.com
屋根裏部屋というと、薄暗く物置じみた、秘密の隠れ家のようなイメージがありませんか。屋根裏部屋タイプのサンルームは、光にあふれた空間です。一部屋余分にできますから、狭い土地に家を建てる場合にはとても良いアイディアです。
出典: nebularina.blogspot.jp
好きなモノだけ集めた、書斎も兼ねた趣味の部屋にしたり、大人も子供も日光浴しながらのんびりと過ごせるプレイルームにしたり、ビールを飲みながらパーティーをしたり、いろいろな用途に使えますよ。
自然に囲まれてゆったり落ち着くバスルーム
出典: www.digsdigs.com
こんなバスルームタイプのサンルームもあります。外から丸見えなので住宅事情の厳しい日本では、実現はなかなか難しいかもしれませんが、写真のように山の中ならば問題はないでしょう。
ガラス面から侵入する冷気は真空ガラスなどで対策すれば、おしゃれな露天温泉につかっているような開放感がいっぱいで、周囲の自然を楽しみながらのバスタイムが満喫できるでしょう。
1日の疲れを癒やしてくれる、贅沢なくつろぎのひとときを過ごせます。
出典: www.decorpad.com
こちらは、庭に面したバスルームタイプのサンルームです。蘭の花やブッダ像がオリエンタルなムードをつくっています。バスタブの自然石風のラフなタイルに親近感を感じませんか。
側面にはロールタイプのサンシェードを下げてあり、日差しが強いときに日光量を調整が出来るだけでなく、目隠しとしての役割もあります。
子供たちも遊びながら日光浴できる幼稚園
出典: www.soa-architectes.fr
日だまりの中で遊ぶたくさんの子どもたち。意外な組み合わせかもしれませんが、サンルームスタイルの幼稚園があるんです。
時代によって悪者にされたり、積極的に取り入れられたりと全く反対の受け入れ方をされる日光ですが、1日に数十分ほどの短時間の日光浴で、適量の紫外線を浴びる分には、体に悪影響を及ぼすどころか、むしろメリットばかりだそうです。
特に子どもたちの骨を丈夫にする、免疫力を高める効果などが確認されています。
都会の疲れた心をいやすペントハウスサンルーム風
サンルームが生まれた頃には想像もできなかった、体験ができるのがペントハウス風サンルームです。現代ならではのスタイルです。
写真のような広面積のタイプなら、開放的で明るい空間にロフトみたいに、現代的なマテリアル(プラスチック、スティール)の家具や無地で落ち着きのある、正統派のシンプルなファブリックを置くと良いでしょう。
遮るものがない視認性の高い部屋からは、ライトアップされた夜景や、夕日など最高の眺望が楽しめるのはもちろん、日中は建物の陰になる心配もなく大きなガラス窓から射すお日様が堪能でき、都会的なライフスタイルの疲れを癒やしてくれます。
ハックルベリー・フィンの気分!?樹上のサンルーム
出典: www.koolrooms.com
小さい頃に木の上のお家に住めたらなぁ、なんて想像してみたことはありませんか?その夢を現実にしてしまったこのお家は大きなガラス窓で覆われ、森の中でも存分に日の光を採光することが出来ます。
出典: theownerbuildernetwork.co
サンルーム、というよりはサン「ハウス」という定義の方がしっくりくるような気もしますが、日照時間が少ない地域や、大きな建物に囲まれたりしていて、1日の日照時間に限りがある場所に家を建てる場合には、1つのアイディアだと思います。
サンルームに置きたいインテリア!
コレじゃなきゃダメ、というルールなどありませんから、意外と自由度が高く、人それぞれの要望や目的、または好みに合わせてカスタマイズできるのがサンルームの良いところです。インテリアもスタイルもそれこそ千差万別ですが、ここでは2点だけご紹介します。
出典: www.architectureartdesigns.com
意外に落ち着く:ブランコベッド
出典: antgadgetscorner.com
アメリカの住宅には、玄関までのアプローチの間に、「ポーチ」と呼ばれるテラスのような張り出し玄関があるのが定番です。ポーチにはデフォルトでブランコがつけられていたりしますが、そのポーチをガラス壁で覆いサンルームにしたタイプでは、ベッドを使っているものがあります。
何種類かあり、ソファーを天井からさげているタイプもありました。ハンモックよりも安定感があり、寝る前に軽く揺らすと、揺りかごのようで気持ちよく眠れそうです。
くつろぎのサンルームがリサイタル会場に早変わり:ピアノ
出典: www.architectureartdesigns.com
おしゃれなサンルームには、グランドピアノが小道具としてぴったりです。雰囲気作りのためだけではありません。
特に寒い季節は、リビングルームに代わって、暖かく、日光がたっぷりと差し込むサンルームが活躍しますが、みんながつどっている、団らんのひとときに生演奏のBGMなんて、贅沢ですよね。
出典: interiordesigncouture.blogspot.jp
こちらの大きなスペースは有名な図書館です。こんなに広いスペースは自宅では難しいかもしれませんが。サンルーム&ビアノのアイディアの発展系として、音楽関係の書籍や、好きなアーティストのレコードなどを集めて飾るのも素敵ですね。居心地が良く、快適な趣味のスペースができちゃいます
サンルームとは
日本ではあまり耳慣れない響きのサンルーム、いったいどんなものなのでしょうか。
サンルームとは、日光浴を目的に作られた部屋のことをいい、陽光を多く採りこめるようなガラス張り、またはガラス窓などの開口部が広くとられているデザインが一般的です。
イメージ的には、昔からの縁側を壁やガラス窓で囲んでお家の内側に作ったような感じでしょうか。新築の段階で設計に盛り込むこともあれば、あとから、庭の一部やベランダなどをサンルームにリフォームするケースもあります。
日本では、ガーデンルームという商品もあり、ガーデンルームとサンルームは区別されているようです。
一方欧米では、一般にサンルームの定義は少し曖昧で、サンルームの別名としてガーデンルームと呼ばれることもあり、構造・機能上の違いはほぼ変わりません。
サンルームは、特にヨーロッパ、アメリカ、オーストリアなどの寒い国で人気があり、その土地その土地で発達したために、ガーデンルームの他にもソラリアム・サンパーラー・サンポーチ・サンラウンジ・パティオルーム・ウィンターガーデンなど多様な形態と呼び名を持っています。
出典: www.victorianweb.org
少し様子が変わるのはコンサバトリーで、イギリスでは、19世紀初頭に世界中から収集してきた熱帯植物などを”コンサーブ” (conserve=保存)する温室をコンサバトリーと呼んでいましたが、それから派生したサンルームもコンサバトリーと呼ばれるようになりました。
そのため、コンサバトリーと言った場合には、現在でもガラスで覆われた華麗で、豪華なヴィクトリアン調の温室風のサンルームを指すことが多いです。
出典: www.houstonchronicle.com
一説によると、いま私たちが見るようなイメージのサンルームは16世紀のイタリアで生まれたと言われています。
現在では、リビングルームに併設した形で建てられ、庭と部屋の中間的な意味合いを持つ、外へ張り出した形の部屋をサンルームと呼ぶことが多いです。
昔ながらの伝統的サンルーム
出典: commons.wikimedia.org
伝統的なサンルームは、中央にお茶や茶菓子を置けるような小さなテーブル、その周りに数人掛けのソファーや、くつろげる椅子を配置しているスタイルです。
ぽかぽか暖かい、適度な日の光の射す気持ちのいい部屋でおしゃべりをしたり、カードゲームをしたり、趣味にふけったり。こんなサンルームでは本当に優雅なときを過ごせそうですね。
少しゴージャスなサンルームは、ときにはコンサバトリーやソラリアムと呼ばれることもあります。たいていは庭に面していて、室内にいながらにして四季折々の自然を楽しめるようになっています。
出典: www.stylenorth.ca
これは、カナダの19世紀半ばに建造されたヴィクトリア様式とエドワード様式が混在したサンルームです。現在は博物館になっていますが
大きな開口部、中央の小卓、それを囲むように置かれた揺り椅子は伝統を踏襲しています。
置いてある椅子が「揺り椅子」という選択が、まさに、サンルームが家庭の中でどんな位置にあり、どのように使われていたかが想像できて楽しいですね。
出典: www.frankphillipshome.org
1930年代に実際に使われていた、アメリカ合衆国オクラホマ州の個人宅のサンルームです。休日の午後を家族や親しい友人とゆったりと過ごしていたんでしょうね。
出典: www.whitehousemuseum.org
ホワイトハウスにサンルームがあるのをご存じでしたか?
建物の3階にあり、1920年頃に建造されて以来、何度もリフォームされています。これは、1992年頃の写真です。
出典: www.whitehousemuseum.org
サンルームでくつろぐニクソン大統領夫妻。
きっと、歴代の大統領は激務の間に、つかの間の休息をここでとり、リフレッシュしてから、再び仕事に戻ったのでしょう。
出典: www.bbc.co.uk
初期のサンルームは1800年代半ばから後半にかけて、絵画の題材にもしばしば取り上げられています。
英国の画家、ハリー・ブラウンは「コンサバトリーでお茶を」という油彩画で、ブルジョアの女主人が女友達とおしゃべりしながらアフタヌーンティーをゆったりと楽しむ様子が描かれています。暖かい日だまりの中でのおしゃべりは弾んだでしょうね。
出典: www.blog-arte.net
フランス、印象派の画家ジェームズ・ティソ(James Tissot )も1875年から78年頃に「コンサバトリーで」という絵画を描いています。
身なりの良い紳士淑女がお茶を飲みながら優雅に集うサロンの様子が描かれ、当時の上流階級の市民の流行だったことがうかがえます。
サンルームは家計の味方のエコシステム!
出典: www.design4renovations.com
パッシブソーラーって聞いたことありますか?自然のままに入る太陽熱を利用して、快適な室内環境を整えるシステムのことです。天気の良い日中であれば暖められた室内の空気は、エアコンなどの暖房設備をとめても十分過ごせるほど上昇します。
また、寒い冬でも洗濯した衣服がすぐに乾くので、とても経済的です。自然へのインパクトが少なく、エコでもあるサンルーム。
ですが、真夏は高温になりすぎないようにブラインドや遮光カーテンで採光量を調節する、冬は室温の低下を防ぐために断熱効果の高い真空ガラスの窓を入れるなどの工夫をすることで、さらに経済的な環境になります。
■ 多様なスタイルのサンルーム
■ サンルーム応用編
■ サンルームに置きたいインテリア
お部屋にもいろいろなスタイルがあるように、サンルームにもたくさんのバリエーションがあります。その種類は数え切れないほどありますが、ここでは素材やデザインから分類した10タイプのサンルームをご紹介します。それぞれ、個性的に居心地の良さを追求したサンルームをご覧ください。
まずはオーソドックス、モダンスタイル
落ち着いた色調でスタンダードなデザイン。いつの時代にも合うモダンスタイルは、サンルームのお部屋作りでも人気です。
無地で落ち着きのある、正統派のファブリックは渋い暖色系の色味でまとめられ、シンプルなデザインなのに温かみがあります。伝統的な英国様式を継承したサンルームにぴったりのくつろぎの空間を作り出しています。
出典: www.archilovers.com
同じシンプルでもスタイリッシュな、イタリアンモダン様式の新しいタイプのサンルームには、デザイン性の高い家具が良く合います。