ベルギーに、1世紀以上も同じ家族が住み続けた家がありました。その物件を自由にアレンジし、ミニマルな暮らしを楽しむデザイナー、メラニー・アイルランド。彼女は、アントワープを拠点に有名なベルギーのブランド、シンプルキッズの創業者でありデザイナー。二人のお子さんと住まうそのシンプルな暮らしが注目されています。
現代デザイン×クラシカルなダイニング
金のミラーフレームのついた大きな暖炉は大理石。
その前に大きなダイニングテーブルと、ウェグナーの椅子。
天高な空間に、鏡でさらに奥行きがとれた、開放的な空間に見えます。
一枚の天然木を、ウェグナーで囲う
余分な装飾を必要としないミニマルな空間だからこそ、ウェグナーの椅子で一枚の板を囲み込むこのシンプルなダイニングセットに、とてつもない存在感を感じます。
窓、天井、照明位置の高さもその存在を引き立てます。
壁の幅一杯にガラスをまとう
ガラスのパネルで、頭上のファンを隠す設計が面白いですね。これも彼女の考案。
モノトーンでまとめられたこのキッチンのワークトップは大理石です。
フロアから感じる歴史
長年にわたって人の足に触れてきた床は、自然で味わい深い風合いを出し、アンティーク家具をおくだけでなんだか家具が生き生きしてくるかのよう。
この家は、建築家ヴィンセント・ヴァン・デュイッセンのリノベーション物件。開放感と光の流れを意識した構造に着目した作品にメラニーは一目惚れしたそうです。
白で統一された趣味の空間
本がぎっしり入っているこの場所は、実は暖炉。使用していない時期は、こうしてインテリアとして活用します。
本を重ねて「白」を表現するそのセンスもすごい!
程よい曲線を取り入れた階段
鉄製の手すりが、アンティークな風合いを出しています。螺旋にはない、緩やかなカーブが美しいですね。
明るくナチュラルな配色の階段です。
作業も日常の自然な場所で
「シンプルキッズ」というブランドを立ち上げたメラニー。
彼女は、この家の最大のポイントを、「間取りを自由に組めること」といいます。家具を自由に配置し、生活空間に自然に仕事の場所を取り入れ、彼女の
特に手入れをしない床がかえって美しい
白の壁を内装の基本とし、床は基本的には塗装をせずに自然のまま。
塗装を繰り返さずに、あくまで木そのものにこだわるのが彼女のやり方です。
壁の工夫もリノベーションならでは
間接照明のある引き出しは、チェアでもあり、サイドテーブルでもあり、壁の一部でもある。
木製パネルに同化させた小さなワードローブ棚もおしゃれ。
黒と白を楽しむ空間をつくる
ミニマル、シンプル、そういった言葉に共通するイメージは、モノトーンでマットな空間。
バスルームなどの、もっともリラックする場所に、そもそもシンプルに暮らしたいという彼女の希望が反映されています。
シンプルで余裕のある暮らしが幸せの要素
お二人のお子さんの座っている椅子は、ブラジルのデザイナー、セルジオ・ロドリゲスのもの。
良い物を選りすぐり、最高の使い方を知っている、デザイナーならではのインテリアです。
コツ・ポイント
イギリスの田舎育ちの彼女。アンティークなものを新しい形で使うセンスと、古い物件を純粋なまでにクラシカルに、そしてミニマルに仕上げる豊かな発想には、目を見張る物があります。