団地はかつて、水洗トイレやキッチンダイニング、ベランダのある近代的な建物として憧れの住宅でした。今は、どことなく古いイメージがある団地。けれども、古い団地はいま、再生によって驚くべき変貌を遂げることができる原石なのです。今回は、若いご夫婦と子どもがまるで絵本の世界で暮らしているかのような、“団地リノベーション”のお部屋をご紹介しましょう。
■今回ご紹介する家は
鴨居駅から徒歩3分。ららぽーとなどのショッピング施設もあり、大通りにもすぐに出れる便利な立地です。それにもかかわらず、団地内の庭や共用スペースが広いため、音と潤いの緩衝地になっていて思いのほか静かな場所。
[物件のアウトライン]
所在地:神奈川県横浜市緑区鴨居
工事費:652万円
面積:57.86㎡
築年数:44年
間取り:2LDK+ロフト
構造:RC壁構造(1階)
施工期間:45日
ご家族:ご夫婦+子供1人
※今回ご紹介する家は、リノベーション・オブ・ザ・イヤー2014における受賞作品のひとつです。
◼︎リノベーション前は・・・
施工前は、壁式構造で細かく区切られたお部屋でした。壁式構造とは、低層住宅に見られる、鉄筋の基礎にコンクリートで壁や床などの面を作った構造。その構造が間取り変更の自由度を妨げており、どこか閉鎖的な印象に。
そこで、取り払いにくい壁がある中でいかに空間のつながりを出すかに着目。圧迫感のある梁や壁に意味を持たせ、どのように居心地の良さを造り出すかを課題として、施工が進んでいきました。
ちなみにこの物件は「磨き売り」の家。磨き売りとは、先行的にリフォームし付加価値を創出して販売するスタイルで、入居者がオーダーして空間を作る通常のリフォームとは異なります。そのため、「このお部屋の特徴と潜在力は何か?」を追求し「その後どのようなご家族に暮らしてもらうか」まで丁寧に考え抜かれた家となります。どんな想像が形になったのか、さっそく見ていきましょう。
◼︎タイトルは「メルヘン」!海をイメージした夢のある家に
壁の存在という課題に対し、このお部屋の持つ力を最大限引き出して完成したお部屋がこちらです!
取れない壁を逆に空間に溶け込ませるという形で、この物件ならではの課題を克服した室内。カーペットとフローリングの境目を意図的にリビング側に寄せ、ゆるやかにゾーニングしました。
このお部屋につけられた名前は「メルヘン」。リビング床材にはエメラルドグリーンのカーペットで「海」を、キッチン側は無垢のフローリングで「砂」を表現しました。まるで物語の世界に住まうイメージで、壁についたアーチを行ったり来たりできるような楽しい内装に。
■『船』をイメージした想像力をかきたてる空間
リビングにつながる青い壁の部屋は、子どもが自由に遊べる場所をイメージしています。限られたスペースでも登ったり下りたり、走り回ったり、隠れたりできる、子どもたちの想像をかきたてる空間がたくさんあります。
写真のような「アーチ」を目の前にした時の子どもの発想はとても豊かでしょう。もしかしたら、ドラえもんや秘密基地など別なものイメージする子どもいるかもしれませんね。
まだ施工時点ではこの家に住まうご家族は決まっていませんが、将来の入居者が、まるで自分たちのために作られた家であると感じるくらい、深く心に響くような工夫をふんだんに取り入れています。
写真は、完成した家を内覧されたあるご家族のワンシーン。お子様がはつらつとはしゃいで駆け回る姿に、古い団地であることを忘れてしまいそうです。
■冒険心をくすぐるロフト
アーチの内部はロフトになっており、上は船長の部屋、下は船底で積荷を集める部屋をイメージしています。内観にこられた子どもたちは、設計者の意図の通り、船の下でぐるぐる走り回り、船の上では丸窓に満面の笑顔をのぞかせたりと大喜びの様子だったそう。
■砂浜に佇む小屋のような、対話しやすいキッチン
「砂」をイメージしたフロアに、目線や会話のつながりがしやすい開放的なキッチン。壁がありながら、カウンターを長く伸ばして視覚的に繋がりを作ったそうです。
白いボテッとした縁が可愛いシンクや、アートモザイク施釉で仕上げたカウンターも、遊び心があってワクワクするデザインですね。
◼壁に遊び心を持たせ、ファンシーな物語を描くような空間に
アートモザイクの片隅をよく見ると、かえるちゃんがご挨拶♪訪れる人の誰もが、ある物語の中に入り込んだかのようなファンシーな気持ちになるでしょう。
この家全体に共通するのは、自由に妄想したり発想したりと、“何を思ってもいい”豊かな心を育てることができること。そんな心の成長につながるポイントが、インテリアの細かいところまで施されているのです。
■テーマは『小さな湖で羽を休める白鳥』のバス・洗面スペース
水回りにもテーマがついています。「白鳥」の長い首を垂らしたかのような形の水栓。さらに、洗面ボウルの素材もマットにし、白鳥の体のようなイメージをもって作られました。
■間取り図:Before&After
今回の最大のポイントは、「取ることができない壁」を空間に溶け込ませ、住まい全体に「空気と光の一体感」を出したこと。また、中古団地の磨き売り物件というスタイルで、この団地のもつ特徴や眠っている魅力を、子どもにとって心地よい空間に変えたことです。
ちなみに後日、この物件にぴったりのご夫婦がご購入されたそうです。万人受けよりも個性的な内装に終始し、深く心に響く方と出会いたいという想いで造ったという施工担当者。
磨き売り物件は、“相思相愛”の入居者と出会うことが理想です。まさにそんな出会いを経て、今この「メルヘン」では、毎日駆け回る子どもと若いご夫婦が、楽しい暮らしを送っています。
◼︎設計・施工会社のご紹介
会社名:株式会社しあわせな家
会社URL:http://renon.cc/
「横浜オフィス、ショールーム」
住所:神奈川県横浜市西区北幸2-13-5北幸ぐうはうすA303
フリーダイヤル:0120-015-471
「表参道デザイン室」
住所:港区北青山3-7-1
Tel:03-6427-9944 Fax:03-6427-9945
▶︎しあわせな家 facebookページ
https://www.facebook.com/Renon.Shiawasenaie
■今回ご紹介する家は
鴨居駅から徒歩3分。ららぽーとなどのショッピング施設もあり、大通りにもすぐに出れる便利な立地です。それにもかかわらず、団地内の庭や共用スペースが広いため、音と潤いの緩衝地になっていて思いのほか静かな場所。
[物件のアウトライン]
所在地:神奈川県横浜市緑区鴨居
工事費:652万円
面積:57.86㎡
築年数:44年
間取り:2LDK+ロフト
構造:RC壁構造(1階)
施工期間:45日
ご家族:ご夫婦+子供1人
※今回ご紹介する家は、リノベーション・オブ・ザ・イヤー2014における受賞作品のひとつです。
◼︎リノベーション前は・・・
施工前は、壁式構造で細かく区切られたお部屋でした。壁式構造とは、低層住宅に見られる、鉄筋の基礎にコンクリートで壁や床などの面を作った構造。その構造が間取り変更の自由度を妨げており、どこか閉鎖的な印象に。
そこで、取り払いにくい壁がある中でいかに空間のつながりを出すかに着目。圧迫感のある梁や壁に意味を持たせ、どのように居心地の良さを造り出すかを課題として、施工が進んでいきました。
ちなみにこの物件は「磨き売り」の家。磨き売りとは、先行的にリフォームし付加価値を創出して販売するスタイルで、入居者がオーダーして空間を作る通常のリフォームとは異なります。そのため、「このお部屋の特徴と潜在力は何か?」を追求し「その後どのようなご家族に暮らしてもらうか」まで丁寧に考え抜かれた家となります。どんな想像が形になったのか、さっそく見ていきましょう。
◼︎タイトルは「メルヘン」!海をイメージした夢のある家に
壁の存在という課題に対し、このお部屋の持つ力を最大限引き出して完成したお部屋がこちらです!
取れない壁を逆に空間に溶け込ませるという形で、この物件ならではの課題を克服した室内。カーペットとフローリングの境目を意図的にリビング側に寄せ、ゆるやかにゾーニングしました。
このお部屋につけられた名前は「メルヘン」。リビング床材にはエメラルドグリーンのカーペットで「海」を、キッチン側は無垢のフローリングで「砂」を表現しました。まるで物語の世界に住まうイメージで、壁についたアーチを行ったり来たりできるような楽しい内装に。
■『船』をイメージした想像力をかきたてる空間
リビングにつながる青い壁の部屋は、子どもが自由に遊べる場所をイメージしています。限られたスペースでも登ったり下りたり、走り回ったり、隠れたりできる、子どもたちの想像をかきたてる空間がたくさんあります。
写真のような「アーチ」を目の前にした時の子どもの発想はとても豊かでしょう。もしかしたら、ドラえもんや秘密基地など別なものイメージする子どもいるかもしれませんね。
まだ施工時点ではこの家に住まうご家族は決まっていませんが、将来の入居者が、まるで自分たちのために作られた家であると感じるくらい、深く心に響くような工夫をふんだんに取り入れています。
写真は、完成した家を内覧されたあるご家族のワンシーン。お子様がはつらつとはしゃいで駆け回る姿に、古い団地であることを忘れてしまいそうです。
■冒険心をくすぐるロフト
アーチの内部はロフトになっており、上は船長の部屋、下は船底で積荷を集める部屋をイメージしています。内観にこられた子どもたちは、設計者の意図の通り、船の下でぐるぐる走り回り、船の上では丸窓に満面の笑顔をのぞかせたりと大喜びの様子だったそう。
■砂浜に佇む小屋のような、対話しやすいキッチン
「砂」をイメージしたフロアに、目線や会話のつながりがしやすい開放的なキッチン。壁がありながら、カウンターを長く伸ばして視覚的に繋がりを作ったそうです。
白いボテッとした縁が可愛いシンクや、アートモザイク施釉で仕上げたカウンターも、遊び心があってワクワクするデザインですね。
◼壁に遊び心を持たせ、ファンシーな物語を描くような空間に
アートモザイクの片隅をよく見ると、かえるちゃんがご挨拶♪訪れる人の誰もが、ある物語の中に入り込んだかのようなファンシーな気持ちになるでしょう。
この家全体に共通するのは、自由に妄想したり発想したりと、“何を思ってもいい”豊かな心を育てることができること。そんな心の成長につながるポイントが、インテリアの細かいところまで施されているのです。
■テーマは『小さな湖で羽を休める白鳥』のバス・洗面スペース
水回りにもテーマがついています。「白鳥」の長い首を垂らしたかのような形の水栓。さらに、洗面ボウルの素材もマットにし、白鳥の体のようなイメージをもって作られました。
■間取り図:Before&After
今回の最大のポイントは、「取ることができない壁」を空間に溶け込ませ、住まい全体に「空気と光の一体感」を出したこと。また、中古団地の磨き売り物件というスタイルで、この団地のもつ特徴や眠っている魅力を、子どもにとって心地よい空間に変えたことです。
ちなみに後日、この物件にぴったりのご夫婦がご購入されたそうです。万人受けよりも個性的な内装に終始し、深く心に響く方と出会いたいという想いで造ったという施工担当者。
磨き売り物件は、“相思相愛”の入居者と出会うことが理想です。まさにそんな出会いを経て、今この「メルヘン」では、毎日駆け回る子どもと若いご夫婦が、楽しい暮らしを送っています。
◼︎設計・施工会社のご紹介
会社名:株式会社しあわせな家
会社URL:http://renon.cc/
「横浜オフィス、ショールーム」
住所:神奈川県横浜市西区北幸2-13-5北幸ぐうはうすA303
フリーダイヤル:0120-015-471
「表参道デザイン室」
住所:港区北青山3-7-1
Tel:03-6427-9944 Fax:03-6427-9945
▶︎しあわせな家 facebookページ
https://www.facebook.com/Renon.Shiawasenaie
コツ・ポイント
団地に対する古いイメージを持つ若い世代は増えているでしょう。しかし、リノベーションによってその古さを良さに変え、若い世代にもマッチするような提案ができるんですね。そういった、リノベーションの新しい形を感じる物件のご紹介でした。