都市部では、新しくて綺麗なアパートでも、広さは限られます。そんな都市部のアパートのためにベルギーのあるプロジェクトがある建物を考案しました。彼らがこだわったのは、「省スペース」。狭さを克服する、どんな工夫があるのか、さっそく見てみましょう。
スタイリッシュな省スペースベッド
ベッドボードにデスクをデザインした、一体型のコンパクト家具。
ベッドとデスクが一緒になる斬新なデザインは、狭い部屋でも動線を最小限に出来る工夫がなされています。
空間を縦使い、そして棚と一体型のテーブル
お部屋の限られた空間に、棚とテーブルを一体化させた省スペース家具。
縦型のこのお部屋、このテーブルのおかげで、約半分が動線なので、とっても広く見えますよね。
すぐに手に取れる場所に、無駄の無いシェルフ
テーブルのサイドに組み込まれているシェルフ。ちょっと用があるときに、すぐ手に取りたい物を置いておくには便利です。
柔軟なスイング照明が空間を広くしています
邪魔にならずに、調節できること、を実現した高さのあるスイング照明が、空間を広く見せます。
このスイングアームランプ、2014年の「ミラノサローネ」でも発表されました!
水回りもスタイリッシュ
ホテルの洗面台のようにプレーンでスタイリッシュな空間。ウッディな空間に、白がとても映えます。
すっきりおさまるスライド式扉
使用していないときは、スライド式の扉で、しっかり壁に元通り。
この壁、すべてスライド式の収納
約80平米のアパートに、こんなに収納を設けられたんだ?!と、それだけでも驚きを感じます。
限りなく床面積を広くするための工夫だそうです。
隠し扉のその中は・・・
「すべてスライドする」といったその廊下。壁伝にスライドするのではありません。
こうすることで、ストレージの容量は、最大に。
このストレージは、「どの都市型の省スペースの家にも向いている」と建築家も述べています。
デスク側もベッド側も照らすことが出来る卓上照明。
高さも、ベッドサイドはほぼ両面が照らせるほどの高さにとどめ、余分な凹凸を無くしています。
壁のテクスチャにもあたたかみを感じます
リラックスに適した、ほどよい明るさの天然オーク材を、表情豊かに連ねます。
実はこの設計、ある目的がありました。
これまで見てきたコンパクト家具や、省スペースを意識した設計、実は「車いす利用者」が安心して暮らせるように作られた、優しい家なんです。
障がい者のために作られたものだとは、全く感じませんね。
障がい者のための家ということを顕著に表現せず、どの家にも欲しい「便利さ」を備えたアイディアは、このプロジェクトのすばらしい発想ですね!
コツ・ポイント
そもそもの着想は、実は、車いす生活を送る人のために設計された省スペースアパートだったんですね。車いすが通れるように人が通る動線を広めに確保した室内で、動きを最小限にとどめられるよう家具もコンパクト化されている。こうした工夫が、狭いアパートなどに暮らす生活にも基本的につながっていることだったのです。