一般人には計り知れないセンスをもち、直感で仕事をしているように思われるトップデザイナー。
しかし、彼らも無秩序にコーディネイトしているわけではなく、一定のルールをもっています。
トップデザイナーがどのように考えてカラーコーディネートをしているか、そのルールをまとめました。
ビビッドな青と黄色
青と黄色の組み合わせは、そう珍しいものではないけれど、Miles Redd氏は、その中でもイエローキャブみたいなハッキリした黄色にインディゴブルーを組み合わせるのがお好き。強い色を1色で使うよりも、2つ並べた方が引き立てあうんだそうです。
グリーンと赤
同じように反対色を組み合わせている写真を1つ。壁やソファのグリーンに対して、クッションと花で赤い色をおいています。
大学を卒業後、家具店で働き、ニューヨークにデザイン会社を立ち上げたMILES REDD氏は色使いが特徴的だということでも知られています。
ベージュと黒
最初に目にとまるのはベージュの家具。つづいて、視線がうつる先は真っ黒に塗られた壁です。黒は後退色といって、後ろに下がって見える色です。これを背景にして、グリーンなどの他の色がせまって見えてきます。Jeffery Bilhuber氏が教えてくれる無彩色を背景にしたカラーコーディネート術です。
ベージュの車
ちなみに、Jeffery Bilhuber氏はこんな方。この写真は2004年のMaybach 62という高級車の内装で、彼はこれを小さなホテルか自家用飛行機の中にいるようだ、と評しています。素材の異なるベージュのシートを背景に、赤っぽい木のパネルが際立ちます。
艶のあるカラータイルに赤のさし色
キッチンというのは、最近かなりオープンになってきているので、単なる作業スペースではなく、色をつかって“みせる”ことも大事だと考えるSTEVEN GAMBREL氏。釉薬をかけた艶のあるカラータイルを使い、赤をワンポイントに使うというコーディネイトを提案しています。
黄のさし色とユニークな形
STEVEN GAMBREL氏はクラシックな雰囲気もありつつ、洗練されたコーディネイトに定評があります。鮮やかな色やユニークな形の個性的なエレメントも積極的に使いますが、全体が雑多な印象にならないのは、空間の特性をおさえ選んでいるから。その空間でどんな時間を過ごすか、その時にふさわしい色は何か、という順で考えるのです。
ゴールドの輝きとオレンジ
食卓がどんな時に最大限の力を発揮するべきか。BRIAN J. MCCARTHY氏は、特に夜、そして、テーブルセッティングとの調和が大切であると考えています。そこで導きだされるのが、ゴールドのきらめくオレンジの塗料。華やかなディナーに最適のカラーです。
モノトーンのパターン
写真は同氏によるベッドルームのコーディネイト。シンプルな色の組み合わせですが、柄使いに注目です。ゼブラの剥製、ソファに描かれたオリジナルのペイズリー柄、それに呼応するようなカーテンのパターン。幾何学柄のカーペット。シンプルな色使いですが、細かいところまで配慮されています。
白+カラフル
WILLIAM GEORGIS氏は発見しました。現代アートを集めているクライアントの多くは、それを飾るために壁を白にしたがります。ただ、床に色を使うことについては気にしないのです。色とりどりのキャンディをばらまいたようなカーペットは、真っ白な壁をより落ち着いた印象にみせています。
白地に墨汁のような模様
ちなみに、こんな方。自身がリノベーションを手がけた自邸での一枚です。カーペットは彼のオリジナルデザインで、モノトーンではありますが、床にパンチをきかせるというルールが、ここにもいかされているように見えます。ここでは全体が見えませんが、オリエンタルな雰囲気のインテリアなので、墨がとんだようなカーペットが良く合います。
自分だけのカラースキーム
トレンドに振り回されることなく、居心地のよさを感じる自分だけのカラースキームを見つけていくことの大切さを説くのはBUNNY WILLIAMS氏。彼女が手本にしているのは、独特な色の組み合わせ方をしているアンティークラグの色使いだそうです。
質感にこだわったアクセントカラー
飽きのこない色、ずっと付き合っていける色を選ぼうとすると、難しいのが鮮やかな色合いのもの。ここでは赤いテーブルが目をひきますが、これは木でできていて上品に仕上がっているので、長く付き合っていけそうな一品です。
コツ・ポイント
カラーコーディネートとは言うものの、考慮する要素は色だけでなく、柄や素材感も密接に関係してきています。実物を良く見て組み合わせていくことがポイントだと思います。