新生活のスタートをきるにあたって、引っ越しの費用はできる限り安くすませたいものです。はじめての引っ越しでは相場もよくわかりません。また、ただ単に安いだけでなく、満足のいくサービスも受けたいところです。最低限のサービスを維持した上での相場と値引き交渉のコツなど、ご紹介します。
引っ越しの料金は変動する
出典: hikkoshi-monsieur.com
人が最も引っ越しをする時期というのは決まっています。新学期や新年度がはじまる直前の3月下旬から4月上旬です。次に夏にも人事異動が多いので、7月下旬から8月上旬、その次は年末にも移動があるので12月下旬が多くなります。
その結果、引っ越しが集中する3月・4月の引っ越しには繁忙期の割増料金が発生します。7月・8月はその次に高くなりますが、さほどは高くなりません。
引越し料金の安い時期
繁忙期を除けば、引越し料金は低め水準でほぼ安定しています。引っ越し業は運送業の一つですが、一般の顧客の荷物を個別に運ぶので、サービス業の意味合いのほうが強いように思います。
忙しいと人員が十分にさけないので、繁忙期は料金が高くなりますが、それ以外の時期は安くなります。
平日と週末や休日でも違いが
出典: naruki0423.exblog.jp
引越し日が平日の場合、料金が割安になります。週末や休日は割高になります。
作業員も人の子です。ウイークデーに働くのは問題がなくても、大型連休などには働きたくないのは同じです。
そういう日は会社側も作業員に割増料金を払います。したがって、引越し料金も割高になってしまうのはしかたのないことだと思います。
午前便と午後便
引越し作業は朝からはじまりますが、荷物の量が少ない場合、午前中だけで終わってしまう場合があります。そんなときは午後から別の引っ越しを受けることができます。希望日がいっぱいの場合、「午後便なら開いている」というのは、午前が比較的時間がかからない引っ越しが入っているケースです。
しかし、引っ越しには不測の事態が起こることもあり、1時スタートの予定が夕方にまでずれ込んで、おかげで終わったのはどっぷり夜だった、ということは度々聞かれる話です。
出典: www.asahi.com
逆に、どうせ遅れるだろうとのんびり荷造りしていたら、仕上がっていないのに引越し業者が早く来てしまったという話もよく聞きます。お互い気持ちよく過ごすためには、時間に余裕を持って引っ越しにのぞみたいものです。
こうした不測の事態が起こりやすいので、午後便は比較的不人気のため、午前便より料金が割安になっています。
エレベーターの有無
出典: www.mbchouse.co.jp
エレベーターのない場合の3、4階への引っ越しの場合、割増料金が発生するかどうかは業者によって対応が変わってきます。一般的に格安料金をうたっている引越し業者は割増料金が必要な場合が多くなります。
ピアノのような特殊品が含まれていないかぎりエレベータのあるなしは関係ないという業者もあるので、見積もりを取るときに何階から何階への引っ越しなのか告げて、割増料金の有無をはっきりしておく必要があります。
引越し費用の相場
出典: cataso.jp
引っ越しは、荷物が多くなればなるほど料金は高くなります。また、移動距離が長い場合、荷出しと荷入れを同日にやってはいけない決まりがあります。
何百キロから一日でやってはいけない距離になるかは法律で決まっているそうで、距離については業者さんに問い合わせてください。
300km移動する引っ越しをしたとき、作業員が4、5名来ていましたが、そのうちの上の2名の方が積み込みの終わったトラックをそのまま交代で運転して現地近くに向かい、一泊して、現地のスタッフ2、3名と合流して積み下ろし作業をしました。それにかかる経費は引越し料金に含まれます。
ひとり暮らし
荷物が最も少ないため、割り安に抑えられるのがひとり暮らしの引っ越しです。赤帽の引っ越しでは、自分で荷物の積み下ろしも行い(手伝う程度ではなく作業員になる)、近距離であれば1万円で引っ越しできます。おそらく最安値はこの引越です。体力に自信のある人向きです。それ以外の梱包に関するサービスは一切ついていません。
引越し業者に頼む場合、2~6万円とバラつきがあります。距離や荷物の量、繁忙期かどうかで全く条件が異なってきます。いくらになるかは引越し先と引っ越し時期を決めて見積もりを取ってみないとはっきりしません。
出典: xn--1-38t9a6vjdud1963a1vtis9gwmc.com
安くするには、他の人の荷物と一緒に運ぶ「混載便」で、搬出日をおおよそ一週間以内の範囲で広く対応し、業者の都合に合わせる「フリー」設定を取ると、繁忙期に長距離であっても安価に設定できます。
息子がはじめて一人暮らしするとき、大型家電は新調するので手持ちの荷物と家具だけ運ぶのにアート引越センターのフリー便を使いました。荷物は大きさ重さにかかわらず20個までで、ダンボールも一個、タンスも一個と計算しました。
200キロの移動で、3月下旬でしたが、4万円弱で引っ越しできました。ダンボールやガムテープも無料でついてきて、自転車や家具などは作業員さんが手早く梱包してくれました。
積みきれない場合は、軽くて小さい荷物をなるべく残すように頼んだところ、ダンボールが7箱ほど残り、追加料金を払って持って行ってもらうことを思いつかなかったため、ヤマト運輸に持ち込みました。
「明日以降のお届けで午前午後の指定しかできなくてよければヤマト便で送ると安い」といわれ、ヤマト便にしたところトータルで3000円以下で残りも発送できました。
夫婦
出典: www.wofs.jp
夫婦の引っ越しの場合、荷物の量と距離で全く条件が異なります。転勤族の場合、引っ越し慣れしているので、もともと大きな家具もこまごました荷物も持たないため、単身者と変わらない非常に安価で引っ越しできます。
ですが、大型の家具があったり、荷物がたくさんあって移動距離も長いと、どうしても高価になります。
3トントラック(17m3)までで8~10万円はかかり、100kmを超えるとプラス5万程度かかると見ておく必要があります。引っ越しがいつなのか、どういうところからどういうところへ引っ越すのか、さまざまな条件で料金が変わってきます。見積もりを取ってみないとわからないのが現状です。
4人家族
出典: nanapi.jp
家族の引っ越しは荷物量がMAXといえる引っ越しです。引っ越し業者でも最も利益が得られる引っ越しではないかと思います。4トン~4トンロング(約6トン)の荷物になります。
近距離の引っ越しで最大15万円近くかかる覚悟が必要かと思います。距離も大きく関わってきますが、荷物の量で全く料金が変わります。荷物の増え方も、夫婦の場合の2倍ではなく何倍にもなり、作業員の増員が必要になります。人件費は安くありません。
わが家は引っ越し回数が少なくないのに荷物が多い、最悪のタイプです。我家の場合の最大の引っ越しは10トントラックでした。移動距離も300kmを超え、7月の引っ越しで総額で30万かかりました。梱包と開梱をやってもらうおまかせサービスではありません。
大体の梱包も開梱も自分でやりました。引っ越し慣れしているとこういうことだけは誰よりもうまくなります。2週間程度で梱包し、2週間かからずほぼすべて開梱しましたが、業者さんが「すごいですね!」と言っていたので、私の作業スピードは早いようです。
この引っ越しでは作業員は4~5名はいました。そのうちひとりは梱包要員だったようで、業者が2週間では絶対梱包し終わっていないと踏んで連れて来ていたようです。彼女は「梱包するものがありません」とこぼしていました。
形の変なもの、ベンジャミンの大きな鉢植えとか、梱包できていないものもありましたが、アート引越センター開業以来作業員として第一線で働いていらっしゃる、アートの宝ともいうべき作業員さんがこのとき来てくれていました。TVで見るアートの作業員さんがつたないと思えるくらいの手際の良さで、どんなものでも簡単にダンボールやガムテープとカッターナイフですいすい梱包してくれました。
出典: www.zba.jp
それ以前にも何回か引っ越ししていましたが、この作業の手際の良さに、引っ越しにおける作業員の質は、引越しにかかる費用と同じくらい重要な事柄だと痛感しました。
引っ越し前後にかかる心理的なストレスや、どうしてもある程度ついてしまう家具などの傷をとってみても、作業員の質が高いと全くその後が違いました。
急な引っ越し
急な引っ越し、見積もり後2週間位で引っ越ししなくてはいけないような場合で、その時期が繁忙期に当たると業者側にもスケジュール調整に負担を掛けてしまうので、割増料金の覚悟が必要です。引っ越し期限まで1カ月近くあるようなゆったりしたスケジュールの場合、引越し業者も、料金的にも作業員の質的にも良好な空きをオススメしてくれるので、懐にもハートにもやさしい引っ越しができます。
その点、急な引っ越しはどうしてもマイナスになってしまいます。引っ越しが決まったら、できるだけ早急に見積もりを取るようにしましょう。
出典: kuchikomi-review.xyz
細かな住所まで決まっていなくても、引越し先が「◯◯市◯◯区あたり」まででも見積もりは取れます。早期契約の場合、料金がお安くなる場合が多いので、きっちり決まっていなくてもスピードを優先しましょう。
市内
出典: www.starline-home.jp
市内の引っ越しの場合、全ての荷物を運んでもらっても料金的には安価になります。
また、大型の荷物のみ運べるだけ運んでもらい、こまごまとしたものは順次自分で運ぶという方法をとってもそう大変ではありません。
自家用車が荷運びに適しているワンボックスであれば、梱包する手間が要らない分、かえって手間がかからない上、安上がりになります。
10トンで移動した後、この方法で市内の引っ越しもしました。当時わが家の車はエルグランドでした。背が高い物も運べます。7往復するくらいで大方の荷物は運べたと思います。
自転車などは子どもに自力で乗って行かせました。子どもが小さかった頃に市内の引っ越しで業者さんに全て運んでもらって行ったときと比べると、箱に詰めるのではなく車にどんどん突っ込んで運ぶ方が作業としては楽でした。
県内
県によっても広さが違います。また、県内でも隣の市に引っ越すのと、100km先に引っ越すのでは条件は全く異なります。物を言うのは移動距離です。市内よりも間違いなく費用はかかります。
しかし、一日で引っ越しができないほど遠距離になることはあまり考えられないので、朝荷物を出して、夕方下ろし終わる計画を立てることが可能な場合が多いかと思います。
そうなると、午後便では荷降ろしが終わるのがかなり遅い時間になってしまうので、あまりオススメではありません。作業員も疲労困憊し、質の低下はまぬがれません。
出典: blog.carsharing360.com
都合の良い日をなるべく早く抑えるか、フリー便にして荷降ろしは別の日にするようにしたほうが料金的にも質的にも安心です。荷物の量と移動距離で料金は変化します。
大きい物だけ運んでもらうよりは全部運んでもらって、積み残しの小さいものだけ移動のついでに車で運ぶようにするのが一番効率が良いかと思います。自家用車がない場合は、追加料金を払っても全部持って行ってもらうか宅急便をうまく使うかするほうがよいでしょう。
長距離
長距離の引っ越しは料金的にはとても高価になりがちです。また、距離があるので、何度も現地を下見できないので、物件を決めたらその場で採寸をしておくことがポイントです。引っ越しのとき、どこに何を設置してもらうか作業員に指示する必要があります。
採寸していても「ここに置こうと思っていたが、入らなかった」とか、「しっくりしなかった」ということは多々あります。採寸して、配置を先にある程度考えていないと、現場は混迷を極めます。数少ないタイミングは逃さないのがうまく引っ越すポイントです。
出典: ouentai.info
冷蔵庫や洗濯機、家具など、新しい設置場所に入らない場合もあります。入るかどうか確認するためにも採寸が必要です。
何もかも小さいものに買い換える必要がでてきたりすると、引っ越し以外の経費がかかる上、現在使用している家電や家具の処分の問題もでてきます。
また、ライフラインがどうなっているのか確認も必要です。ガスコンロを自分で設置する場合、プロパンか都市ガスかのチェックは不可欠です。都市ガスの地域からプロパンの地域に引っ越す場合、またはその逆の場合、現在使っている設備は処分して荷物に含めないようにし、場合によっては新しい器具を用意する必要があります。
不要品の処分サービスがついてる業者もあるので、見積りのときに確認しておきましょう。
私自身の失敗ですが、長距離の引っ越しのとき、荷出しのときは作業員さんに休憩してもらうときに出せる飲み物を用意していましたが、荷入れのときは近くのコンビニで買えばいいかと用意していなかったら、どこにコンビニがあるのか全くわからず、荷物が多いので指示を出し続ける必要があって現場を離れることもできず、出したくても何も出せない状態に陥りました。
飲み物を出さなくてはいけない決まりはありませんが、人というものはちょっとした気遣いがうれしいものです。作業を円滑に進めてもらうためにも必要だと思います。
おすすめの引越し業者
さあ引っ越しをしようと思っても、どこに頼んだらいいのかわからないものです。それぞれ独自のサービスもあるので、自分にあった引越し業者を探しましょう。面倒でも最低3社は見積もりを取りましょう。
「今契約してくれると安くします」といって無理やり即決を求められたことがありますが、断ったはずの他の業者が現れ「うちのほうがやすくするから、他の業者のダンボールは持ち帰ります」と居座られ、結局ダンボールを2社分置き逃げされ、片方を断るのに困り果てたことがあります。
出典: www.bestcarton.com
それ以降、即決を求められると、「私には決定権がありません。絶対に即決しません。即決しないといけないのでしたら、オタクは除外させていただきます」ときっぱり断るようにしています。業者の口車に乗らないことが大事です。
サカイ引越センター
全国規模で展開していて、引っ越しの繁忙期に最もトラックを見かける業者といえばサカイ引越センターです。サービスと値段が安いことには定評があります。全ての引っ越しが自社トラックで行われます。
プラスアルファの質、となると得意分野とは言えないようですが、決められた仕事はきちっとこなしてくれるようです。関西生まれの私が言い難いのですが、関西発祥の会社のためか、営業マンの押しが強いと言われています。
実は前述の即決を迫った最初の業者がこのサカイ引越センターです。次のときに頼もうかと思ったら、午後2時の見積もり予約に、「5時すぎないと行けません」と3時近くになって電話してきたことがあり、「でしたら来ていただかなくても結構です」と断ったことがあります。
わが家とはあまり合っていません。でも、良かったと言われることも多いし、「その地域はお断りしています」という地域が少ないのが最大のポイントだと思います。
ハート引越センター
全国に40カ所以上の拠点を持っており、大手ではないものの、実績のある引っ越し会社です。料金的にはサカイ引越センターよりも安い場合もあるようです。
ダンボール無料サービスや不要品の無料引取サービスも付いています。これからの会社のためか、作業員の質にバラつきが大きいように見受けられます。
ハート引越センターさんには私自身見積もりを頼んだことも引っ越しをお願いしたこともないため、自分自身のもつ情報がないので、口コミ情報から情報を得たのみです。HPをみたところ、引越しに用いる資材や養生は、細かな点ははっきりしませんが、アート引越しセンターのものと遜色が内容に見受けられました。後は作業員の質次第だと思います。
アート引越しセンター
引っ越し業界最大手です。「高い」というイメージがありますが、引越し日まで余裕があり、料金的に安くする方法ははないかとこちらから尋ねると、いろいろなプランを提案してくれるので、見積もりに十分時間を取れば満足の行く答えが得られます。
家具の設置しなおし・ダンボールの無料引取りなどのサービスは、実際に頼むと実現不可能な条件付きだった、というようなことはありません。
無料ダンボールで足りないときは、頼めば使用済みのダンボールを届けてくれます。私自身、何度もお世話になっていて、イチオシの引っ越し会社がアート引越センターです。
新築家屋に引っ越すとき、近場で大きな荷物だけの引っ越しだったので料金的に折り合わず、泣く泣く他社を頼んだところ、勝手に家具を二階から吊り上げているのに気がついたときには外壁を一部破壊、保証問題になったことがあり、悔やんだこともあります。
満足の行く、失敗のないワンランク上のサービスを求めるなら、アートです。口コミ情報では、悪評もありますが、私が利用した大小の引っ越し計4回の中では、そんな経験は一度もないことばかりでした。
家具に傷が入ったときは後日補修員が来られて、もとよりきれいになったのでは?と思うほどきれいに直してくれました。
この家具は高価なものではなかったので、その対応ですみましたが、高価なものの場合はそれなりの保証があります。家具の細かな部品がなくなっていたときもあり、そのときも確認に来られて代替品を持ってこられました。
アリさんマークの引越社
創業から40年以上の引越し業者で、作業スタッフは全員が正社員・準正社員の自社スタッフのみ。無料ダンボールなどの資材も充実しています。手軽で安心、安くてよかったという声も多いのですが、トラブルも多いように思います。
実際に引っ越しをお願いしたことはありませんが、見積もりを頼んで断られてことがあります。対応外地域ということで、インターネットで依頼して、メールでしたが、丁寧に対応できない旨書かれたメールが届きました。頼めない地域もあるようです。
ダック引越センター
出典: 888888.jp
低価格路線の、値段で勝負!という引越し業者です。現在アート引越センターのアートコーポレーションの傘下になっており、アート流の顧客満足向上に力を入れています。現在もリーズナブルさは強みで、単身近距離引っ越しは2万円切るケースも有るようです。
これから技術的に向上した上で、値段で勝負!となると、非常に期待が持てる会社だと思います。口コミでのトラブル悪評はこれからの会社なのに、上記の4社とは比較にならない多さですが、私自身がはじめて知った会社なので、なんとも言えないのが現状です。
非常に高価な家具調度品がなく、とにかく安くすませたいときは頼んでみるのもいいかもしれないと思います。アートの指導に期待しています。
引越し費用を安くするには
値引き交渉のコツ
出典: himikohime.com
引越し期日までなるべく長い余裕がある状態で見積もりを依頼しましょう。運ぶ荷物を全てきちんと見せた上で、「できるだけ安くすませたい」旨を告げます。
「曜日にはこだわらない」「午後便でもいい」と言った、妥協できる点があることを提示すると、安くできる日程を提示してくれます。「もっと安くしろ」ではなく、条件を緩和すると安くなります。
言い忘れていて、後からこれも運んでもらおうと思うと、追加料金が発生したり、積み残しの原因になったりします。運んでもらうのはこれこれだと、きっちりと手の内を見せましょう。
注意してほしい荷物があれば、見積のときにも口うるさくいう必要があります。黙っていて、当日「これは貴重品」と言い出し、材料がなくて十分に梱包できない事態になったら、「壊された」という方が悪いのです。
数社から見積りを取る
引っ越しは3社以上から見積りを取りましょう。どんなに面倒でも、安くキッチリと引っ越しできるためにはこの点は疎かにしてはいけません。このとき、料金だけでなく、付随するサービス、有料となるサービスについても詳しい説明を聞いておきましょう。
ここできっちり聞いておかないために後日追加料金が発生してしまいます。そういうトラブルに見舞われないためには、見積りは真剣勝負です。
出典: www.integraldemudanzas.com
仕事柄、交渉事に長けるうちの夫。引越し業者といえば、わが家のイチオシはやはりアート引越センターなのですが、アート引越センターから見積もりに来た人に、家の引っ越し見積りにはいつもノータッチの夫がこんなことを言っていました。
「うちは何度も引っ越しして、オタクが一番気に入っています。できればオタクに頼みたいが、会社に3社分の見積もりをだして、会社がここ、というところに決めなくちゃいけない。だから、できる限り安く見積もってください。お願いします。」
出典: hikkoshi-monsieur.com
人が最も引っ越しをする時期というのは決まっています。新学期や新年度がはじまる直前の3月下旬から4月上旬です。次に夏にも人事異動が多いので、7月下旬から8月上旬、その次は年末にも移動があるので12月下旬が多くなります。
その結果、引っ越しが集中する3月・4月の引っ越しには繁忙期の割増料金が発生します。7月・8月はその次に高くなりますが、さほどは高くなりません。
引越し料金の安い時期
繁忙期を除けば、引越し料金は低め水準でほぼ安定しています。引っ越し業は運送業の一つですが、一般の顧客の荷物を個別に運ぶので、サービス業の意味合いのほうが強いように思います。
忙しいと人員が十分にさけないので、繁忙期は料金が高くなりますが、それ以外の時期は安くなります。
平日と週末や休日でも違いが
出典: naruki0423.exblog.jp
引越し日が平日の場合、料金が割安になります。週末や休日は割高になります。
作業員も人の子です。ウイークデーに働くのは問題がなくても、大型連休などには働きたくないのは同じです。
そういう日は会社側も作業員に割増料金を払います。したがって、引越し料金も割高になってしまうのはしかたのないことだと思います。
引越し作業は朝からはじまりますが、荷物の量が少ない場合、午前中だけで終わってしまう場合があります。そんなときは午後から別の引っ越しを受けることができます。希望日がいっぱいの場合、「午後便なら開いている」というのは、午前が比較的時間がかからない引っ越しが入っているケースです。
しかし、引っ越しには不測の事態が起こることもあり、1時スタートの予定が夕方にまでずれ込んで、おかげで終わったのはどっぷり夜だった、ということは度々聞かれる話です。
出典: www.asahi.com
逆に、どうせ遅れるだろうとのんびり荷造りしていたら、仕上がっていないのに引越し業者が早く来てしまったという話もよく聞きます。お互い気持ちよく過ごすためには、時間に余裕を持って引っ越しにのぞみたいものです。
こうした不測の事態が起こりやすいので、午後便は比較的不人気のため、午前便より料金が割安になっています。
エレベーターの有無
出典: www.mbchouse.co.jp
エレベーターのない場合の3、4階への引っ越しの場合、割増料金が発生するかどうかは業者によって対応が変わってきます。一般的に格安料金をうたっている引越し業者は割増料金が必要な場合が多くなります。
ピアノのような特殊品が含まれていないかぎりエレベータのあるなしは関係ないという業者もあるので、見積もりを取るときに何階から何階への引っ越しなのか告げて、割増料金の有無をはっきりしておく必要があります。
出典: cataso.jp
引っ越しは、荷物が多くなればなるほど料金は高くなります。また、移動距離が長い場合、荷出しと荷入れを同日にやってはいけない決まりがあります。
何百キロから一日でやってはいけない距離になるかは法律で決まっているそうで、距離については業者さんに問い合わせてください。
300km移動する引っ越しをしたとき、作業員が4、5名来ていましたが、そのうちの上の2名の方が積み込みの終わったトラックをそのまま交代で運転して現地近くに向かい、一泊して、現地のスタッフ2、3名と合流して積み下ろし作業をしました。それにかかる経費は引越し料金に含まれます。
荷物が最も少ないため、割り安に抑えられるのがひとり暮らしの引っ越しです。赤帽の引っ越しでは、自分で荷物の積み下ろしも行い(手伝う程度ではなく作業員になる)、近距離であれば1万円で引っ越しできます。おそらく最安値はこの引越です。体力に自信のある人向きです。それ以外の梱包に関するサービスは一切ついていません。
引越し業者に頼む場合、2~6万円とバラつきがあります。距離や荷物の量、繁忙期かどうかで全く条件が異なってきます。いくらになるかは引越し先と引っ越し時期を決めて見積もりを取ってみないとはっきりしません。
出典: xn--1-38t9a6vjdud1963a1vtis9gwmc.com
安くするには、他の人の荷物と一緒に運ぶ「混載便」で、搬出日をおおよそ一週間以内の範囲で広く対応し、業者の都合に合わせる「フリー」設定を取ると、繁忙期に長距離であっても安価に設定できます。
息子がはじめて一人暮らしするとき、大型家電は新調するので手持ちの荷物と家具だけ運ぶのにアート引越センターのフリー便を使いました。荷物は大きさ重さにかかわらず20個までで、ダンボールも一個、タンスも一個と計算しました。
200キロの移動で、3月下旬でしたが、4万円弱で引っ越しできました。ダンボールやガムテープも無料でついてきて、自転車や家具などは作業員さんが手早く梱包してくれました。
積みきれない場合は、軽くて小さい荷物をなるべく残すように頼んだところ、ダンボールが7箱ほど残り、追加料金を払って持って行ってもらうことを思いつかなかったため、ヤマト運輸に持ち込みました。
「明日以降のお届けで午前午後の指定しかできなくてよければヤマト便で送ると安い」といわれ、ヤマト便にしたところトータルで3000円以下で残りも発送できました。
出典: www.wofs.jp
夫婦の引っ越しの場合、荷物の量と距離で全く条件が異なります。転勤族の場合、引っ越し慣れしているので、もともと大きな家具もこまごました荷物も持たないため、単身者と変わらない非常に安価で引っ越しできます。
ですが、大型の家具があったり、荷物がたくさんあって移動距離も長いと、どうしても高価になります。
3トントラック(17m3)までで8~10万円はかかり、100kmを超えるとプラス5万程度かかると見ておく必要があります。引っ越しがいつなのか、どういうところからどういうところへ引っ越すのか、さまざまな条件で料金が変わってきます。見積もりを取ってみないとわからないのが現状です。
出典: nanapi.jp
家族の引っ越しは荷物量がMAXといえる引っ越しです。引っ越し業者でも最も利益が得られる引っ越しではないかと思います。4トン~4トンロング(約6トン)の荷物になります。
近距離の引っ越しで最大15万円近くかかる覚悟が必要かと思います。距離も大きく関わってきますが、荷物の量で全く料金が変わります。荷物の増え方も、夫婦の場合の2倍ではなく何倍にもなり、作業員の増員が必要になります。人件費は安くありません。
わが家は引っ越し回数が少なくないのに荷物が多い、最悪のタイプです。我家の場合の最大の引っ越しは10トントラックでした。移動距離も300kmを超え、7月の引っ越しで総額で30万かかりました。梱包と開梱をやってもらうおまかせサービスではありません。
大体の梱包も開梱も自分でやりました。引っ越し慣れしているとこういうことだけは誰よりもうまくなります。2週間程度で梱包し、2週間かからずほぼすべて開梱しましたが、業者さんが「すごいですね!」と言っていたので、私の作業スピードは早いようです。
この引っ越しでは作業員は4~5名はいました。そのうちひとりは梱包要員だったようで、業者が2週間では絶対梱包し終わっていないと踏んで連れて来ていたようです。彼女は「梱包するものがありません」とこぼしていました。
形の変なもの、ベンジャミンの大きな鉢植えとか、梱包できていないものもありましたが、アート引越センター開業以来作業員として第一線で働いていらっしゃる、アートの宝ともいうべき作業員さんがこのとき来てくれていました。TVで見るアートの作業員さんがつたないと思えるくらいの手際の良さで、どんなものでも簡単にダンボールやガムテープとカッターナイフですいすい梱包してくれました。
出典: www.zba.jp
それ以前にも何回か引っ越ししていましたが、この作業の手際の良さに、引っ越しにおける作業員の質は、引越しにかかる費用と同じくらい重要な事柄だと痛感しました。
引っ越し前後にかかる心理的なストレスや、どうしてもある程度ついてしまう家具などの傷をとってみても、作業員の質が高いと全くその後が違いました。
急な引っ越し、見積もり後2週間位で引っ越ししなくてはいけないような場合で、その時期が繁忙期に当たると業者側にもスケジュール調整に負担を掛けてしまうので、割増料金の覚悟が必要です。引っ越し期限まで1カ月近くあるようなゆったりしたスケジュールの場合、引越し業者も、料金的にも作業員の質的にも良好な空きをオススメしてくれるので、懐にもハートにもやさしい引っ越しができます。
その点、急な引っ越しはどうしてもマイナスになってしまいます。引っ越しが決まったら、できるだけ早急に見積もりを取るようにしましょう。
出典: kuchikomi-review.xyz
細かな住所まで決まっていなくても、引越し先が「◯◯市◯◯区あたり」まででも見積もりは取れます。早期契約の場合、料金がお安くなる場合が多いので、きっちり決まっていなくてもスピードを優先しましょう。
市内
出典: www.starline-home.jp
市内の引っ越しの場合、全ての荷物を運んでもらっても料金的には安価になります。
また、大型の荷物のみ運べるだけ運んでもらい、こまごまとしたものは順次自分で運ぶという方法をとってもそう大変ではありません。
自家用車が荷運びに適しているワンボックスであれば、梱包する手間が要らない分、かえって手間がかからない上、安上がりになります。
10トンで移動した後、この方法で市内の引っ越しもしました。当時わが家の車はエルグランドでした。背が高い物も運べます。7往復するくらいで大方の荷物は運べたと思います。
自転車などは子どもに自力で乗って行かせました。子どもが小さかった頃に市内の引っ越しで業者さんに全て運んでもらって行ったときと比べると、箱に詰めるのではなく車にどんどん突っ込んで運ぶ方が作業としては楽でした。
県によっても広さが違います。また、県内でも隣の市に引っ越すのと、100km先に引っ越すのでは条件は全く異なります。物を言うのは移動距離です。市内よりも間違いなく費用はかかります。
しかし、一日で引っ越しができないほど遠距離になることはあまり考えられないので、朝荷物を出して、夕方下ろし終わる計画を立てることが可能な場合が多いかと思います。
そうなると、午後便では荷降ろしが終わるのがかなり遅い時間になってしまうので、あまりオススメではありません。作業員も疲労困憊し、質の低下はまぬがれません。
出典: blog.carsharing360.com
都合の良い日をなるべく早く抑えるか、フリー便にして荷降ろしは別の日にするようにしたほうが料金的にも質的にも安心です。荷物の量と移動距離で料金は変化します。
大きい物だけ運んでもらうよりは全部運んでもらって、積み残しの小さいものだけ移動のついでに車で運ぶようにするのが一番効率が良いかと思います。自家用車がない場合は、追加料金を払っても全部持って行ってもらうか宅急便をうまく使うかするほうがよいでしょう。
長距離の引っ越しは料金的にはとても高価になりがちです。また、距離があるので、何度も現地を下見できないので、物件を決めたらその場で採寸をしておくことがポイントです。引っ越しのとき、どこに何を設置してもらうか作業員に指示する必要があります。
採寸していても「ここに置こうと思っていたが、入らなかった」とか、「しっくりしなかった」ということは多々あります。採寸して、配置を先にある程度考えていないと、現場は混迷を極めます。数少ないタイミングは逃さないのがうまく引っ越すポイントです。
出典: ouentai.info
冷蔵庫や洗濯機、家具など、新しい設置場所に入らない場合もあります。入るかどうか確認するためにも採寸が必要です。
何もかも小さいものに買い換える必要がでてきたりすると、引っ越し以外の経費がかかる上、現在使用している家電や家具の処分の問題もでてきます。
また、ライフラインがどうなっているのか確認も必要です。ガスコンロを自分で設置する場合、プロパンか都市ガスかのチェックは不可欠です。都市ガスの地域からプロパンの地域に引っ越す場合、またはその逆の場合、現在使っている設備は処分して荷物に含めないようにし、場合によっては新しい器具を用意する必要があります。
不要品の処分サービスがついてる業者もあるので、見積りのときに確認しておきましょう。
私自身の失敗ですが、長距離の引っ越しのとき、荷出しのときは作業員さんに休憩してもらうときに出せる飲み物を用意していましたが、荷入れのときは近くのコンビニで買えばいいかと用意していなかったら、どこにコンビニがあるのか全くわからず、荷物が多いので指示を出し続ける必要があって現場を離れることもできず、出したくても何も出せない状態に陥りました。
飲み物を出さなくてはいけない決まりはありませんが、人というものはちょっとした気遣いがうれしいものです。作業を円滑に進めてもらうためにも必要だと思います。
さあ引っ越しをしようと思っても、どこに頼んだらいいのかわからないものです。それぞれ独自のサービスもあるので、自分にあった引越し業者を探しましょう。面倒でも最低3社は見積もりを取りましょう。
「今契約してくれると安くします」といって無理やり即決を求められたことがありますが、断ったはずの他の業者が現れ「うちのほうがやすくするから、他の業者のダンボールは持ち帰ります」と居座られ、結局ダンボールを2社分置き逃げされ、片方を断るのに困り果てたことがあります。
出典: www.bestcarton.com
それ以降、即決を求められると、「私には決定権がありません。絶対に即決しません。即決しないといけないのでしたら、オタクは除外させていただきます」ときっぱり断るようにしています。業者の口車に乗らないことが大事です。
サカイ引越センター
全国規模で展開していて、引っ越しの繁忙期に最もトラックを見かける業者といえばサカイ引越センターです。サービスと値段が安いことには定評があります。全ての引っ越しが自社トラックで行われます。
プラスアルファの質、となると得意分野とは言えないようですが、決められた仕事はきちっとこなしてくれるようです。関西生まれの私が言い難いのですが、関西発祥の会社のためか、営業マンの押しが強いと言われています。
実は前述の即決を迫った最初の業者がこのサカイ引越センターです。次のときに頼もうかと思ったら、午後2時の見積もり予約に、「5時すぎないと行けません」と3時近くになって電話してきたことがあり、「でしたら来ていただかなくても結構です」と断ったことがあります。
わが家とはあまり合っていません。でも、良かったと言われることも多いし、「その地域はお断りしています」という地域が少ないのが最大のポイントだと思います。