牛乳パックがティッシュやトイレットペーパーに生まれ変わることは、みなさんご存知ですよね。資源として出すだけでなく、自分の手で「再生紙」を作ってみませんか? そこで牛乳パックからハガキを作る方法、アレンジをご紹介いたします。手すきハガキは一度にたくさんはできませんが、少しずつ作り溜めて暑中見舞いにいかがですか?
パルプ液を準備しましょう
牛乳パック1本からは、ハガキが4枚程度作れます。パルプ液が完成するまでちょっとばかり時間はかかりますが、送る相手のことを考えながらじっくり、そしてのんびりと準備しましょう。
1.牛乳パックをカットする
キレイに洗った牛乳やジュースのパックを用意し、リサイクルするときの要領で切り開いたら、適当な大きさにカットします(底の部分は使いません)。
この先に行う、パック表面のコーティングを剥がす作業がしづらくなるので、ここではあまり小さくしないでくださいね。
2.水に浸けておく
ボウルや深めのタッパーなどに水を張り、カットした牛乳パックを3日ほど浸けておきます。
浮かんでこないように、お皿や水を入れたペットボトル等で押さえておきましょう。
3.コーティングをはがす
牛乳パックに施された防水加工のコーティングをはがしていきます(両面とも)。量が多いとちょっと面倒ですが、力のいる作業ではないので頑張って。
はがしにくいようなら、もう1~2日ほど水に浸けて再チャレンジしてみてくださいね。
両面のコーティングをはがした状態がこちら。
4.お鍋で煮る
上の紙を細かくちぎってお鍋に入れたら、ひたひたのお水で10~20分ほど弱火で煮ます。自然に冷めるのを待ち、ザルにあけましょう。
使用した牛乳パックの本数分の食品トレイを用意しておき、できたパルプを分けておくと、この先の作業がやりやすくなります。
5.細かく砕く
ミキサーなどで細かく砕いていきます。
牛乳パック1本分につき、ミキサーなら8回、フードプロセッサーなら4回程度に分けて作業します。水の量はどちらも適量ですが、ミキサーはタップリいれてくださいね。
5~10秒回す、止める、を紙の形がなくなるまで数回繰り返します。
写真のようにドロドロのお粥のような状態になったらOK。ザルにあけて水気を絞り、「牛乳パック1本につき、2個」のお団子にまとめます。
この細かく砕く工程は、すり鉢などを使って手作業で行うこともできます。かなり大変ですが、お子さんの自由研究などにはいいかも。
6.基本のパルプ液の完成
ペットボトル(1リットルサイズ)に、上で作った「パルプ玉ひとつ」と「でんぷんのり」を少量、水をボトルの半分ほど加えたら、よーく振ります。8分目ほどまで水を増やし、さらに振ればパルプ液の完成です♪
「でんぷんのり」は、つなぎの目的で入れます。大さじ1程度で十分です。
道具を作りましょう
「紙すき」というと、パルプ液を溜めた大きな水槽に木の枠を入れ、前後に揺さぶる印象ですが、それをご家庭のキッチンで再現するのはちょっと大変です。ここでは“パルプ液を上から注ぎ込む方法”を採用。道具の作り方、素材として使える物をご紹介いたします。道具・材料は、家にあるもの&100円ショップで揃いますよ♪
1.木枠を作る
端材を使って、「木枠」を作ります。
52円切手で送れるサイズと重さは、縦は14cm~15.4cm以内、横は9cm~10.7cm、重さは2~6g。木枠の内寸がそのサイズにおさまるように組み立てます(官製ハガキのサイズは、縦14.8cm×横10cmです)。
木の厚みもお忘れなく。
完成した「木枠」。このように同じものをふたつつくります。
ラワン材などの柔らかい木材なら、釘を打たなくてもホチキスを開いて押し付けるようにすれば留めることができますし、タッカーをお持ちの方はそれを使えばより簡単に。ボンドで仮留めしてから作業すると、ズレにくくキレイに仕上がります。
この「枠」をもっとお手軽に作るには、カラーボード(スチレンボード)が簡単。作りたいサイズにカッターでくり抜いて加工します。もちろん、100円ショップに置いています。厚みのあるタイプがオススメ。
食品トレイなどでもできますが、薄いのと軽量すぎるためやや扱いにくいかもしれません。
2.網を準備する
紙すきは「木枠」「網」「木枠」の順に道具を重ねて行います。
「網」の一番のオススメは、土漏れや虫の侵入を防ぐ目的で植木鉢の中にしく、プラスチック製のネット。ハサミでカットできるので扱いも容易です。
以下に「網」として使える物をいくつか挙げていきます。
「巻きす」は、パルプをはがしやすいという利点もあります。
「網戸用のネット」を使用した例。柔らかい素材は、パルプ液の重みでたわむことがあるため、片方の「木枠」にホチキス等で留めてしまうと扱いが楽です(ネットの周囲をサッと炙っておくとほつれてきません)。
2mほどのロールで販売されていますが、使用するのはごく少量です。もし、網戸の修理や張替えのご予定があれば。
網戸ネットの替わりとして、メッシュの「水切りネット」もオススメです。こちらもパルプ液の重みでネットがたわまないよう、破れない程度に引っ張った状態で「木枠」にホチキス留めして使います。ネットを「木枠」の外寸よりも大きめにカットするのがポイントです。
洋服ハンガーにはき古したストッキングを被せて「網」を作ることもできます。ポイントは水切りネットなどと同様に表面をたるませず、できるだけピン!と張らせることです。
紙すきセット(ハガキサイズ)
実はこのようなセットも。600~1000円前後で複数の会社から販売されています。あれこれ準備したり加工するのが面倒であればこちらを。
お試し用のパルプの有無などでお値段が違います。購入の際は、セット内容を確認してくださいね。
紙を作りましょう
パルプ液に道具、すべての準備が整ったら、さっそく紙すきをはじめましょう♪ プレーンだけでなく、押し花やスパンコール、お花紙、毛糸等、お好みの装飾をすき込んだハガキもぜひお試しくださいね。
1.パルプ液を注ぐ
「木枠」「網」「木枠」を重ねたものをバットなどに入れ、パルプ液を均等な厚さになるように注ぎます。ハガキ1枚につき、パルプ液半分程度、5mmくらいの厚さが適量です。
飾りを配置する場合は、上からティッシュを1枚被せると安定します。
2.紙の水気を切る
上の「木枠」を外します。
・「網」を「木枠(下)」に固定していない場合、「網」ごとタオルの間に挟み、そっと水気を取ります。
・「網」を「木枠」に固定している場合、パルプの上にガーゼのハンカチなどを被せ、そのまま「木枠」ごとタオルの上に裏返して置き、水気を取ります。
めん棒があれば、上から静かに転がすと均等な厚みに。
3.乾燥させる
「網」を外したら、破れないようにをそっと持ち上げて窓にペタリと貼り、しっかり乾燥させます。窓からはがすときはフライ返しなどで慎重に行います。
数枚ならば、お手持ちのクリアファイルにくっつけて日なたに置いておいても。曲がるのではがすときも楽チンです。
パルプが余ったら
パルプは乾燥させて保存することができます。
牛乳パック1本分量のパルプを、2個のお団子状にしておくと、次回使うとき便利です(ひと晩程度、水でふやかしてから使用します)。
紙すき作品のアイデア
季節のお便りはいかがですか?
押し花をすき込めば、季節感あふれるお便りになります。
普通に作れば時間のかかる押し花ですが、アイロンでささっと作る方法があるんです♪ 作り方は下のリンクボタンからどうぞ。
スパンコールでロマンチックに
スパンコールをすき込むと、ちょっと幻想的な雰囲気になります。額に入れて飾ってもステキですね。
細部にまでこだわりを
郵便番号を書き込む枠を、消しゴムはんこでペタリ。温もり感のある、かわいらしい仕上がりになっています。こんなハガキもらったらすごく嬉しいですよね♪
スパイスを混ぜて表情豊かに
唐辛子などのスパイス類、ドライハーブ、コーヒー(カスでOK)などを加えると面白い雰囲気の紙になります。また、水の替わりに紅茶を使えば、赤茶色の紙に。
全体的に柄をつけたり、色をつける場合は、ペットボトルにパルプと水、でんぷんのりを入れて混ぜ合わせる工程で行います。
型を使えばこの通り
クッキー型にパルプ液を注げば、写真のような形も簡単にできちゃいます。針金を通してタグにしてもかわいいですね。
「シードボム」でお花畑をプレゼント
種を混ぜ込んでお団子にすれば「Seed Bomb(シードボム)」、種爆弾(?!)になります。物騒なネーミングですが、その辺の空き地に(勝手に)投げ込み、お花畑にしちゃおうと言う、海外発のほのぼのとしたイタズラ。
皆さんは相手の喜びそうなお花の種を混ぜ込んで、プレゼントしてあげましょう。そのまま土に植えられます。
組み合わせて楽しむ
違った雰囲気の紙を組み合わせれば、このような凝った物に。アート作品として飾っておきたいですね。
パルプ玉を使って
しっかり乾いたパルプ玉に絵を描いて繋げば、小さいお子さんにもピッタリのカラフルアクセサリーに(糸は引っ張ったら切れるよう1本取りにするなど、安全に配慮してくださいね)。玉のれんにしたり、壁飾りにしてもかわいいかも。
作り方は下のリンクボタンからどうぞ♪
牛乳パック1本からは、ハガキが4枚程度作れます。パルプ液が完成するまでちょっとばかり時間はかかりますが、送る相手のことを考えながらじっくり、そしてのんびりと準備しましょう。
1.牛乳パックをカットする
キレイに洗った牛乳やジュースのパックを用意し、リサイクルするときの要領で切り開いたら、適当な大きさにカットします(底の部分は使いません)。
この先に行う、パック表面のコーティングを剥がす作業がしづらくなるので、ここではあまり小さくしないでくださいね。
2.水に浸けておく
ボウルや深めのタッパーなどに水を張り、カットした牛乳パックを3日ほど浸けておきます。
浮かんでこないように、お皿や水を入れたペットボトル等で押さえておきましょう。
3.コーティングをはがす
牛乳パックに施された防水加工のコーティングをはがしていきます(両面とも)。量が多いとちょっと面倒ですが、力のいる作業ではないので頑張って。
はがしにくいようなら、もう1~2日ほど水に浸けて再チャレンジしてみてくださいね。
両面のコーティングをはがした状態がこちら。
4.お鍋で煮る
上の紙を細かくちぎってお鍋に入れたら、ひたひたのお水で10~20分ほど弱火で煮ます。自然に冷めるのを待ち、ザルにあけましょう。
使用した牛乳パックの本数分の食品トレイを用意しておき、できたパルプを分けておくと、この先の作業がやりやすくなります。
5.細かく砕く
ミキサーなどで細かく砕いていきます。
牛乳パック1本分につき、ミキサーなら8回、フードプロセッサーなら4回程度に分けて作業します。水の量はどちらも適量ですが、ミキサーはタップリいれてくださいね。
5~10秒回す、止める、を紙の形がなくなるまで数回繰り返します。
写真のようにドロドロのお粥のような状態になったらOK。ザルにあけて水気を絞り、「牛乳パック1本につき、2個」のお団子にまとめます。
この細かく砕く工程は、すり鉢などを使って手作業で行うこともできます。かなり大変ですが、お子さんの自由研究などにはいいかも。
6.基本のパルプ液の完成
ペットボトル(1リットルサイズ)に、上で作った「パルプ玉ひとつ」と「でんぷんのり」を少量、水をボトルの半分ほど加えたら、よーく振ります。8分目ほどまで水を増やし、さらに振ればパルプ液の完成です♪
「でんぷんのり」は、つなぎの目的で入れます。大さじ1程度で十分です。
「紙すき」というと、パルプ液を溜めた大きな水槽に木の枠を入れ、前後に揺さぶる印象ですが、それをご家庭のキッチンで再現するのはちょっと大変です。ここでは“パルプ液を上から注ぎ込む方法”を採用。道具の作り方、素材として使える物をご紹介いたします。道具・材料は、家にあるもの&100円ショップで揃いますよ♪
1.木枠を作る
端材を使って、「木枠」を作ります。
52円切手で送れるサイズと重さは、縦は14cm~15.4cm以内、横は9cm~10.7cm、重さは2~6g。木枠の内寸がそのサイズにおさまるように組み立てます(官製ハガキのサイズは、縦14.8cm×横10cmです)。
木の厚みもお忘れなく。
完成した「木枠」。このように同じものをふたつつくります。
ラワン材などの柔らかい木材なら、釘を打たなくてもホチキスを開いて押し付けるようにすれば留めることができますし、タッカーをお持ちの方はそれを使えばより簡単に。ボンドで仮留めしてから作業すると、ズレにくくキレイに仕上がります。
この「枠」をもっとお手軽に作るには、カラーボード(スチレンボード)が簡単。作りたいサイズにカッターでくり抜いて加工します。もちろん、100円ショップに置いています。厚みのあるタイプがオススメ。
食品トレイなどでもできますが、薄いのと軽量すぎるためやや扱いにくいかもしれません。
2.網を準備する
紙すきは「木枠」「網」「木枠」の順に道具を重ねて行います。
「網」の一番のオススメは、土漏れや虫の侵入を防ぐ目的で植木鉢の中にしく、プラスチック製のネット。ハサミでカットできるので扱いも容易です。
以下に「網」として使える物をいくつか挙げていきます。
「巻きす」は、パルプをはがしやすいという利点もあります。
「網戸用のネット」を使用した例。柔らかい素材は、パルプ液の重みでたわむことがあるため、片方の「木枠」にホチキス等で留めてしまうと扱いが楽です(ネットの周囲をサッと炙っておくとほつれてきません)。
2mほどのロールで販売されていますが、使用するのはごく少量です。もし、網戸の修理や張替えのご予定があれば。
網戸ネットの替わりとして、メッシュの「水切りネット」もオススメです。こちらもパルプ液の重みでネットがたわまないよう、破れない程度に引っ張った状態で「木枠」にホチキス留めして使います。ネットを「木枠」の外寸よりも大きめにカットするのがポイントです。
洋服ハンガーにはき古したストッキングを被せて「網」を作ることもできます。ポイントは水切りネットなどと同様に表面をたるませず、できるだけピン!と張らせることです。
紙すきセット(ハガキサイズ)
実はこのようなセットも。600~1000円前後で複数の会社から販売されています。あれこれ準備したり加工するのが面倒であればこちらを。
お試し用のパルプの有無などでお値段が違います。購入の際は、セット内容を確認してくださいね。
パルプ液に道具、すべての準備が整ったら、さっそく紙すきをはじめましょう♪ プレーンだけでなく、押し花やスパンコール、お花紙、毛糸等、お好みの装飾をすき込んだハガキもぜひお試しくださいね。
1.パルプ液を注ぐ
「木枠」「網」「木枠」を重ねたものをバットなどに入れ、パルプ液を均等な厚さになるように注ぎます。ハガキ1枚につき、パルプ液半分程度、5mmくらいの厚さが適量です。
飾りを配置する場合は、上からティッシュを1枚被せると安定します。
2.紙の水気を切る
上の「木枠」を外します。
・「網」を「木枠(下)」に固定していない場合、「網」ごとタオルの間に挟み、そっと水気を取ります。
・「網」を「木枠」に固定している場合、パルプの上にガーゼのハンカチなどを被せ、そのまま「木枠」ごとタオルの上に裏返して置き、水気を取ります。
めん棒があれば、上から静かに転がすと均等な厚みに。
3.乾燥させる
「網」を外したら、破れないようにをそっと持ち上げて窓にペタリと貼り、しっかり乾燥させます。窓からはがすときはフライ返しなどで慎重に行います。
数枚ならば、お手持ちのクリアファイルにくっつけて日なたに置いておいても。曲がるのではがすときも楽チンです。
パルプが余ったら
パルプは乾燥させて保存することができます。
牛乳パック1本分量のパルプを、2個のお団子状にしておくと、次回使うとき便利です(ひと晩程度、水でふやかしてから使用します)。
季節のお便りはいかがですか?
押し花をすき込めば、季節感あふれるお便りになります。
普通に作れば時間のかかる押し花ですが、アイロンでささっと作る方法があるんです♪ 作り方は下のリンクボタンからどうぞ。
スパンコールでロマンチックに
スパンコールをすき込むと、ちょっと幻想的な雰囲気になります。額に入れて飾ってもステキですね。
細部にまでこだわりを
郵便番号を書き込む枠を、消しゴムはんこでペタリ。温もり感のある、かわいらしい仕上がりになっています。こんなハガキもらったらすごく嬉しいですよね♪
スパイスを混ぜて表情豊かに
唐辛子などのスパイス類、ドライハーブ、コーヒー(カスでOK)などを加えると面白い雰囲気の紙になります。また、水の替わりに紅茶を使えば、赤茶色の紙に。
全体的に柄をつけたり、色をつける場合は、ペットボトルにパルプと水、でんぷんのりを入れて混ぜ合わせる工程で行います。
型を使えばこの通り
クッキー型にパルプ液を注げば、写真のような形も簡単にできちゃいます。針金を通してタグにしてもかわいいですね。
「シードボム」でお花畑をプレゼント
種を混ぜ込んでお団子にすれば「Seed Bomb(シードボム)」、種爆弾(?!)になります。物騒なネーミングですが、その辺の空き地に(勝手に)投げ込み、お花畑にしちゃおうと言う、海外発のほのぼのとしたイタズラ。
皆さんは相手の喜びそうなお花の種を混ぜ込んで、プレゼントしてあげましょう。そのまま土に植えられます。
組み合わせて楽しむ
違った雰囲気の紙を組み合わせれば、このような凝った物に。アート作品として飾っておきたいですね。
パルプ玉を使って
しっかり乾いたパルプ玉に絵を描いて繋げば、小さいお子さんにもピッタリのカラフルアクセサリーに(糸は引っ張ったら切れるよう1本取りにするなど、安全に配慮してくださいね)。玉のれんにしたり、壁飾りにしてもかわいいかも。
作り方は下のリンクボタンからどうぞ♪
コツ・ポイント
トイレットペーパーでパルプ液を作る方法もあり、牛乳パックを使うよりも実は簡単です。しかし「再生紙」を作る、というテーマでしたので、ここでは取り上げませんでした。また、機会がありましたら。作業をする上での注意点ですが、パルプ液をそのまま排水に流さないようご注意ください。排水管を詰まらせる恐れがあります。