世界中で起こっているJAPANブーム。食やアニメの分野だけでなく、伝統工芸も注目されています。江戸時代から続くつまみ細工もその1つ。海外では”Kanzashi”と言われ、ウエディングやファッションなどに取り入れられているそう。おしゃれなつまみ細工を生活に取り入れてみませんか?
”Kanzashi is cool!”
日本文化は「クール」
私たちが当たり前だと思っているものは外国人からすると「Fantastic」や「Beautiful」に変わるもの。特に日本文化は海外の人たちに賞賛される傾向にあるようです。アニメやマンガを代表するオタク文化を筆頭に、和室や畳、着物などがクールなものとして捉えられています。
そんな中、女性に人気のアイテムがあるそうです。それは”Kanzashi”。けれど、私たちが連想する簪(かんざし)とは少々趣が異なるようです。外国人の言うKanzashiとはどのようなものでしょうか。
これがKanzashi(かんざし)
外国人が指すKanzashiは、つまみ細工と言われる日本の伝統技法を利用したものでした。日本で作られているつまみ細工は着物に利用されるちりめんなどを使用して作りますが、海外ではリボンやリネン、フェルトを使用したKanzashiが作られるそうです。
レースやビシューをはめ込んだKanzashiはとってもキュート!ウエディングのアイテムとしても人気が高いのだとか。
現代風も悪くない!
InstagramやSNSにも頻繁にUPされているkanzashi。その素敵さに憧れ、逆輸入のかたちでつまみ細工にチャレンジする日本人もいるみたいです。
つまみ細工は見た目の豪華さに反してかんたんです。ぜひ作ってみましょう!
つまみ細工とは
江戸が起源の伝統工芸
つまみ細工は江戸時代に生まれた技法です。薄い絹の羽二重を正方形にカットしてつまんだものを組み合わせ、花びらや鳥を模倣した飾りを作ります。江戸時代の女性たちの頭を彩るアイテムとして人気を博しました。
小さな布を折り畳んで合わせるだけなのに、とってもおしゃれで豪華なアイテムになるというつまみ細工。少し前までは存続が危ぶまれるほど人気が低迷していました。着物を着る人が減ったことに加え、古いものが格好悪いという時代もあったからです。けれど、JAPANブームのおかげで息を吹き返しました。
基本は3ステップ
つまみ細工の基本は3ステップ。
たたむ
↓
つまむ
↓
くっつける
この地道な作業を繰り返し、1つの作品を作っていきます。素材や大きさ、色、モチーフを工夫することで世界に1つだけの美しいアイテムが完成します。基本は髪飾りとして使用されていますが、アクセサリーやバッグの飾り、洋服などに装着して楽しむ人も多いようです。
やり方次第ではこんな作品も!
つまみ細工は伝統工芸の1つということで敷居が高いように感じますが、作り方次第ではクリスマスツリーだって作成できてしまうのです。
今まで和風一辺倒だったつまみ細工の世界。海外の人たちや若い柔軟な頭を持った人たちのアイデアにより、おしゃれでキュート、そしてクールな技法へと変化を遂げています。
正統派の伝統を守りつつ現代風にアレンジする。これが文化を守っていく王道ですね。
どんなシーンで使えるの?
つまみ細工は日本の伝統工芸。普段使いしても大丈夫かと少し心配になってしまいます。なんとなくハレの日に使用するイメージのあるつまみ細工。日常的に使うのはどうしたら良いのでしょうか。
成人式や卒業式、結婚式など
つまみ細工はかんざしとして使用するのが一般的です。かんざしを利用するということは和装のシーンですね。洋服での生活が一般化した現代人にとって和服は冠婚葬祭のときに着るアイテムです。
ハレの日とは人生の祝い事の日のこと。かんざしは、七五三や卒業式、入学式、結婚式、成人式などでの使うのが一般的です。
日々のアクセサリーとして
つまみ細工はカットする布の大きさや枚数でサイズが変わります。耳元を上品に飾りたいのなら小ぶりの布を使ってみてください。
現代的に仕上げるためには、スワロフスキーやビシュー、クリスタル、パールなども使用してみるとgood。ブローチや指輪、ペンダント、ピンにつけてもかわいくなります。
少し扱いは難しくなりますが、サテンを使用すると西洋版KANZASHIに近づきます。
バッグにつけてもかわいい
つまみ細工で作れるものの代表格といったら「お花」。お花のモチーフはどんなアイテムにも比較的合います。たとえば、市販のバッグにたくさんのお花をつけてみたらどうでしょうか。お花の付け方や色の選び方、大きさによっても雰囲気が異なります。
なんとなく使わなくなってしまったバッグをリメイクして生まれ変わらせても楽しそうですよね。シンプルなものこそ大変身させてみてはいかがでしょうか。
つまみ細工を作ってみよう!
どんな材料が必要?
つまみ細工には以下のものが必要です。
◆お花のヘアピンの場合
・布
・ピンセット
・ボンド(グルーガンでも)
・洗濯ばさみ
・爪楊枝
・はさみ
・濡れふきん
・ビーズ
・カッター
・ヘアピン
・厚紙
つまみ細工ははぎれでできるプチプラな手芸です。ちりめんでなくても自宅にある布やリボンでも作ることができます。まずは気楽にチャレンジしてみてください。
つまみ方
つまみ細工は「剣つまみ」と「丸つまみ」という2つの技法を元に制作されます。剣つまみや丸つまみはとても優秀な技法で、この2つ組み合わせたりひっくり返したりすることで10種類以上のつまみができるようになります。
初心者さんは剣つまみと丸つまみがスムーズにできるようになることが上達への早道です。基本をしっかり学びましょう。
◆剣つまみ◆
剣つまみは正方形の布を1回折って二等辺三角形を作ります。その後、45度の頂点同士を合わせて小さな三角形にします。小さな三角形を真ん中でたたんで完成です。
◆丸つまみ◆
丸つまみは正方形の布を1回折って二等辺三角形を作ります。その後、45度の頂点2つを手に持ち、90度の頂点に向かって折ります。すると正方形ができますね。これで完成です。
剣つまみ&丸つまみのやり方
布のつまみ方は動画でチェック!動画開始30秒ほどで説明がはじまります。時間に余裕の無い方は前半を飛ばして鑑賞してみてください。
布に接着剤をつけるときは、10秒ほど指でしっかりと押さえつけるのがポイント。布が汚れないように1回1回手を拭きましょう。濡れたタオルを横に設置しておくと便利です。
つまみ細工用のプレートもある
「つまみ細工がやってみたいけれど、なんだか複雑でわかりづらそう・・・」
そんな風に感じた方は、つまみ細工専用のキットを購入してみましょう。クロバーからは6種類のつまみ細工プレートが発売されています。
キットを使えばあっという間。プレート使いで時間を節約しましょう。
プレートの使い方
クロバー公式の動画がYou TubeにUPされています。
プレートに布を置いて余分な箇所はカット。そのあと、プレートに書いてある数字に従って針と糸を通していきます。順番通りに終わったら糸を引くだけ。ボンドを使用しないつまみ細工が完成します。
つまみ細工プレート全種6点セット
手芸大手クロバーが販売しているつまみ細工プレートは数をたくさん使うときや細かい作業のときに大活躍。布をセットして指示通りにパタパタするだけ。あっという間に複数のつまみ細工を作ることができます。
¥2,643 (税込)
つまみ細工にはどんな布が適している?
つまみ細工を作るには布ならなんでも良いというわけではありません。製作に適した布と適さない布があります。
◆適した布
・正絹
・羽二重
・レーヨン
・木綿
◆作りにくい布
・ポリエステル
・シフォン
ポリエステルやシフォンでも作品は作れます。けれど、つるっと滑ってしまったり、かたちが安定しないという難しさがあるのです。はじめは作りやすい布からやってみてください。
ネットで見つけた!無料レシピ
つまみ細工は画像や言葉ではなかなかうまく伝わりません。こんな時こそYou Tube先生を頼りましょう。日本人のUPしたものだけでなく、外国人のUPしたKANZASHIの作り方もご紹介します。
1.裏剣つまみのヘアピン
裏剣つまみという技法を用いて作ったヘアピンの作り方動画です。材料も少なくあっという間に作ることが可能です。順調にいけば30分以内で完成します。
◆材料◆
・一越ちりめん(柄)3cm×3cm……6枚
・一越ちりめん(白)2cm×2xm……6枚
・一越ちりめん(紺)3cm×3cm……1枚
・ヘアピン……1本
・厚紙……直径2cmの円型1枚
・はぎれ……土台より小さめのもの1枚
・はさみ
・接着剤
◆作り方◆
1.厚紙を紺色のちりめんで包み、ボンドをつけてくるみます。
2.土台の中心より少し外側に穴を開け、ヘアピンを通します。
3.土台のピンの上にはぎれを貼ります。
4.柄ちりめんと白ちりめんを使って剣つまみを作ります。
5.剣つまみのボンドをつけた部分をピンセットで持ち、布をひっくり返します(裏剣つまみ)。
6.柄の裏剣つまみからボンドをつけて土台に貼っていき、最後にビーズをつけて完成です。
2.ウエディングアイテムの作り方
海外の方がUPされているKANZASHIアイテムの作り方です。日本の方法とは異なり、ライターやグルーガンを使用して接着します。大きい作品のためピンセットは使用しません。
◆材料◆
・サテンリボン8cm×8cm……24枚
・パールチェーン……6本
・パール……大粒を一粒
・半円パール……6個
・フェルト……直径4cmのものを1つ
・クリップ台……1つ
・グルーガン
・接着剤
・はさみ
・ライター
◆作り方◆
1.サテンを三角形に折り、90度の頂点をライターで炙ります。炙ったものを2枚重ねてふんわりと折りたたみます。
2.頂点をはさみでカットし、切り口をライターで炙ります。向きを変え、底辺になる部分を更にカットし、切り口をライターで炙ります。
3.この状態のものを12個作ります。
4.12個のうち6つは花びらを尖らせます。花びらの外側になる部分を手でつまみ、この部分をライターで炙ります。
5.丸い花びら6個をグルーガンで接着します。
6.尖った花びら6個も丸い花びらの上で固定します。
7.パールチェーンを丸い花びらの中に6つ入れて固定します。
8.半円パールは尖った花びらの中に置き、接着剤で固定します。
9.中央に大きなパールを接着します。
10.フェルトを花びらの裏に貼ります。
11.最後にクリップ台をグルーガンで取り付けて完成です。
3.剣つまみバレッタの作り方
剣つまみを使用した手作りバレッタも外国の動画から学んでみましょう。バレッタの留め金は手芸店へ行けば販売しています。グルーガンも同様です。
◆材料◆
・白サテンリボン24cm・・・・・・1本
・白サテン布5cm×5cm・・・・・・6枚
・白サテン切れ端・・・・・・少々
・グレーサテン布4cm×4cm・・・・・・6枚
・細いリボン9cm・・・・・・6本
・グルーガン
・はさみ
・ピンセット
・針と糸
・ライター
・ビーズ
・バレッタ留め金
◆作り方◆
1.リボンを半分の所で織り、左右の端からリボンを中央に向かって折りたたみます。
2.手でリボンを押さえながら針で縫い、ギュッと絞って玉結びします。
3.細いリボンの端と端をくっつけ、ライターで炙って布を接着させます。左右3本ずつグルーガンで接着します。
4.白サテン布とグレーサテン布で剣つまみを作ります。外国方式のため、3回布を折ったあと、留めた部分をはさみでカットしてライターで炙ります。その後、土台となる部分も一部カットし炙ります。
5.グレーと白の剣つまみをグルーガンで接着します。接着後、糸で縫い合わせて花を作ります。
6.花の中心にパールなどで花芯を作ります。
7.バレッタの留め金にグルーガンをつけ、サテンのリボンを貼り付けます。
8.留め金とリボンが剥がれぬようにリボンの切れ端でぐるっと一周布を回して固定します。
9.土台をつけた花とバレッタをグルーガンで固定して完成です。
はじめてさんはキットが便利
比較的大きなものから作ってみよう
つまみ細工は慣れてしまうととってもかんたんな作業ですが、はじめは動画やネットを見てもなんだかよくわからなかったりするものです。材料を買い集めるのも大変だったりします。
そこでおすすめしたいのはキット。つまみ細工のキットはネット通販で数多く取り扱っています。作り方と布が入って2,000円前後のものが売れ筋です。
小さくて細かいものよりも、ある程度大きくて花びらの枚数が少ないものが狙い目?
1.つきゆきさんのキット
出典: www.tezukuritown.com
つきゆきさんはちりめん細工の世界でとても有名な方。彼女の作る作品はセンスに溢れていて現代生活にしっくり馴染むものばかり。ナチュラルで優雅、華美過ぎない雰囲気が人気です。
つきゆきさんはつまみ細工キットを複数販売しています。紫色の一輪ネックレスはすべての材料込みで2,800円(+税)。大きさも手頃で作りやすいです。おすすめのキットです。
2.フェリシモのキット
出典: www.felissimo.co.jp
大手通販会社フェリシモのつまみ細工キットも人気があります。
フェリシモのキットは初心者・中級者・上級者の3種類に設定されていて価格もリーズナブル。1,750円(+税)で作り方から布までが含まれています。
フェリシモといえばおしゃれでかわいいアイテムといったイメージがありますよね。つまみ細工もばっちりその路線です。丁寧な作り方のコツを学ぶにもぴったり!
3.ユザワヤのキット
出典: item.rakuten.co.jp
手芸店大手ユザワヤでは、つまみ細工に使用する布やパーツもバラ売りしているほか、アクセサリーやバッグなどのキットも販売しています。
実用的でいてリーズナブル、そして作りやすいのがユザワヤのキットです。サテン生地のパープルフラワーが耳元で上品に輝きます。お値段は1,012円。気軽にはじめられますね。
4.布のキット
出典: shop2.genesis-ec.com
作りたいものがすでに決まっていて、あとは布だけ。そういうときは手芸店の布キットを購入してみてはいかが?
奈良県にあるネットショップ布がたりさんでは、ちりめん10色のキットを1,008円で販売しています。グラデーションがかった布を使えば、作品にぐっと深みが出ます。この色以外も扱っています。詳しくは下記リンクでチェック!
お店で買う手もある
出典: voi.0101.co.jp
マルイなどのネットショップでは、既製品をネット販売しているということもあります。特に12~3月は卒業式や成人式、お正月といったイベントが盛りだくさん。おしゃれなかんざしが多く販売されています。
豆千代モダンという名の付いたかんざしは8,640円(税込み)。シンプルな色使いなのでハレの日にもぴったりの装いになります。
つまみ細工を習ってみたい!
カルチャーセンターへ申し込もう
つまみ細工は年齢関係無くはじめられる手芸です。そのため、地域の公民館やカルチャーセンターなどで定期的に教室が開催されています。
価格は2,000円~とリーズナブル。少ない材料かつ短時間でできるものが多いためレッスンも格安です。個人で経営されている方の場所でも3,000円~程度。気軽にはじめられますね。
土田由紀子さんのオンライン講座
出典: www.tsukuru.tv
インターネットのオンライン講座で作り方を学ぶ方法もあります。
つまみ細工の本を数冊出版されている土田由紀子さん(つきゆき)さんのオンライン講座は、11分弱で980円とお手軽な値段です。材料費をセットで購入しても2,134円(税抜き)とリーズナブル。
先生から直接教えを請うことはできませんが、ネットを利用してつまみ細工のイロハを学ぶことはできるのです。
詳しくは下記リンクでチェック!
観光地で体験する手も
京都などで最近増えている観光体験。つまみ細工も体験講座が行われています。
京都市左京区で京つまみ細工体験を行っているゆるり工房さんでは、剣つまみと丸つまみを使用したアイテムの観光体験ができます。値段は3,000円〜より。
京都観光案内株式会社の動画にも登場しているゆるり庵。詳しくは30秒動画でお楽しみください。
京都観光案内株式会社が制作したゆるり亭の紹介動画です。京都観光は見どころや食べどころが多くあるけれど、たまには変わった観光の仕方にもチャレンジしてみては?伝統工芸を学ぶ良いチャンスです。
つまみ細工はこの本がおすすめ!
基本をきちんと学びたい
はじめてつくる つまみ細工
初心者が失敗するポイントを中心に、つまみ細工のノウハウを公開している「神本」と崇められている本です。タイトルに偽りなし。
自己流やネットの情報だけでつまみ細工をやっていた人が、この本を読んできちんとした作り方を学べたそう。初心者さんとかじり始めの人にぴったりです。
¥1,404 (税込)
つゆつきと 晴れの日、卦の日のつまみ細工
つまみ細工界で有名なつきゆきさんの著書です。以前に出版されたものよりもよりわかりやすい説明がされており、初心者さんでも参考にしやすい図案が多く載っています。
日々の小物からハレの日のアイテムまで、つきゆきさんのやり方で作ってみてはいかがでしょうか。
¥1,404 (税込)
アクセサリーを中心に作りたい!
つまみ細工でできるオシャレな小物
ハウツー本には珍しい、3人の作家による作り方が載っている本です。ブログで人気を博していたという方も参加し、つまみ細工ファンにはたまらないと噂の一冊とも。
古風なものよりも、より現代的でおしゃれな色使いや小物を作りたい方は手にとってみてください。写真を眺めているだけでも心が癒やされます。
¥1,620 (税込)
つまみ細工の花アクセサリー
紹介されている作品の9割は基本の剣つまみと丸つまみで作れるという初心者さんにぴったりの本です。
かんざしやヘアピン、ピアス、ブローチなど、女性が身に付けるものを作りたいという人はこの本を手にとってみてください。かんたんですぐに作れるものばかりです。
¥1,337 (税込)
ハレの日コレクション
1月の特別行事といったら成人式。2016年の成人式では、多くのつまみ細工かんざしをみることができました。時代は平成の世の中になっても、着物姿に合う髪飾りとしてはナンバーワンですね。
Instagramにアップされた素敵な髪飾りを集めてみました。ヘアアクセサリーを作ってみたい方は参考にしてみて!
大輪のまわりに小花
ホワイトのお花を中心に、ピンクや赤の小花を散らした作品です。丸つまみを使用したかわいらしい髪飾りですね!
お花はUピンやストレートピンのおしりに固定すればパッと留めることができます。花びらも布を2枚重ねるとボリュームが出ますよ。
他のアイテムと組み合わせて
つまみ細工で作った和風のお花と西洋的な増加を組み合わせた髪飾りです。
髪飾りに使用する色は、着物に使用している色を使うとすっきりまとまります。ない色を入れた場合は、ヘアがとっても強調されます。止める場所によっても雰囲気が異なる髪飾り。自分でアレンジができるのならば、いろいろな場所に取り付けて違う撮影をしてみても。
薔薇を中心にレイアウト
布で作る花はつまみ方を変えれば西洋花も作れます。薔薇を中心に小花を散らした髪飾りはとっても上品。白いお花をいくつか入れると清楚な感じに仕上がります。
差し色として白は便利です。
お母さんお手製のつまみ細工
髪飾りはお母さんが作ってくれたという愛情のこもった作品です。
最近の成人式は前髪ありのスタイルが多いけれど、こうやって昔ながらの結い上げにチャレンジするのも素敵ですね。カラフルでキュートな髪飾りです。
とっても大きな髪飾り
大輪の花が複数ある場所に、小花を散らしたというとってもゴージャスな髪飾りです。
半襟に赤を使用しているので、赤いお花との相性もばっちり。成人式の髪飾りには赤白が多用されます。見た目も華やかになるのでおすすめです。
ビッグサイズのつまみ細工
ふわふわとした今風のヘアアレンジがされたハレの日スタイリングに突如として現れた巨大な髪飾り。これこそビッグサイズのつまみ細工です。2つの布を重ねて作られていますね。
現代風の着物にもピッタリ合う斬新な髪飾りです。
鶴が頭を舞う髪飾り
鶴はとっても演技の良い鳥。かんざしのアイテムとして使うことで演技の良さを表しています。つまみ細工は鶴の足元にたくさんつけられています。着物と一緒の色なので目立ちにくいですが、その分鶴が目立ちますね!
大きな花と鶴。成人式にふさわしい髪飾りです。
藤の花がすてき
こちらのかんざしも成人式のお嬢様にむけてお母さんが作った作品だそう。藤の花が動くたびにゆらゆら揺れてかわいいでしょうね!
つまみ細工は裁縫が得意というよりは、工作が好きという人に向いているそうです。手芸や編み物が苦手でもとりかかりやすいのが良いですね。
紫×白×緑もきれい
髪飾りというと明るい色ばかりがクローズアップされがちです。けれど、紫色の髪飾りもとっても素敵。紫色は高貴な人を表す色です。髪に装着すると品格がUPするかも!
こちらは卒業式に使用する予定の髪飾りだそうです。素敵な式になると良いですね。
おまけ:帯留めにも
ハレの日コレクションのおまけに帯留めをご紹介します。着物をはじめとした和風の装いには私たちが思っている以上に現代風のアレンジが施されています。
つまみ細工で大輪の花を咲かせた帯留めは、複雑な色を使用するととってもキュートな飾りになります。現代風の帯との相性も良いですね。
こんな使い方も!つまみ細工コレクション
カチューシャ
剣つまみと丸つまみを合わせて作ったものをカチューシャに装着した例です。お子さんの発表会やハロウィン、七五三のときに重宝します。
通常のカチューシャに布を巻き、好きなつまみ細工をグルーガン等で接着します。カラーとかたちでおもしろいものが作れます。
ブローチ
大きめの布を使用して作ったブローチもすてきですね。フェルトで作ってみてもおもしろいかもしれません。
アクセサリー用のパーツは貴和製作所やトーカイ、ユザワヤ、東急ハンズなどで入手可能です。1パーツ数十円からあり、選びきれないほどの量です。銀色と金色でも趣が変わってきますから、頭の中で完成図をイメージしてパーツ買いしにいきましょう。
コームにも
100円ショップで販売している金や銀のコーム。そのまま使用するとシンプルすぎて味気ないと感じることはありませんか?つまみ細工で作ったお花を接着すればぱっと場が華やかになる明るいアクセサリーに変身します。
花びらを2重にする場合、内側の花の大きさや数、色を変えると雰囲気が変わります。技法を変えてみても良さそうです。
アームバンドにもかわいい
外国版KANZASHIはアームバンドとしても使用されていました。お遊戯会で使ってみたいですよね!
つまみ細工とレース、金属の相性は意外と良い感じです。お子さんが使用する場合は、しっかりと接着することをおすすめします。子どもは大人が思っている以上に乱暴であちこちにぶつけます!
ネックレスに
ネックレスは貴金属だけの特権かと思ったら大間違い!つまみ細工だって豪華なアクセサリーに大変身します。これなら結婚式のお呼ばれにつけていってもまったく問題がありませんね。それどころかうらやましがられるかも。
ネックレスの留め金も貴和製作所などの手芸店で販売しています。革製や布製の留め金も販売しています。
箱につけても
大切な人へプレゼントするとき、箱につけてもかわいいのがつまみ細工。ピンで指しておくようにしておけば、貰った方が二次加工しやすいですよ。
ただあげるのではなく、お嫁に行った先のことも考えてあげるのがすてきなプレゼントです。好きな色を知っているのであれば、お花の中に取り入れてあげましょう。
日本文化は「クール」
私たちが当たり前だと思っているものは外国人からすると「Fantastic」や「Beautiful」に変わるもの。特に日本文化は海外の人たちに賞賛される傾向にあるようです。アニメやマンガを代表するオタク文化を筆頭に、和室や畳、着物などがクールなものとして捉えられています。
そんな中、女性に人気のアイテムがあるそうです。それは”Kanzashi”。けれど、私たちが連想する簪(かんざし)とは少々趣が異なるようです。外国人の言うKanzashiとはどのようなものでしょうか。
これがKanzashi(かんざし)
外国人が指すKanzashiは、つまみ細工と言われる日本の伝統技法を利用したものでした。日本で作られているつまみ細工は着物に利用されるちりめんなどを使用して作りますが、海外ではリボンやリネン、フェルトを使用したKanzashiが作られるそうです。
レースやビシューをはめ込んだKanzashiはとってもキュート!ウエディングのアイテムとしても人気が高いのだとか。
現代風も悪くない!
InstagramやSNSにも頻繁にUPされているkanzashi。その素敵さに憧れ、逆輸入のかたちでつまみ細工にチャレンジする日本人もいるみたいです。
つまみ細工は見た目の豪華さに反してかんたんです。ぜひ作ってみましょう!
江戸が起源の伝統工芸
つまみ細工は江戸時代に生まれた技法です。薄い絹の羽二重を正方形にカットしてつまんだものを組み合わせ、花びらや鳥を模倣した飾りを作ります。江戸時代の女性たちの頭を彩るアイテムとして人気を博しました。
小さな布を折り畳んで合わせるだけなのに、とってもおしゃれで豪華なアイテムになるというつまみ細工。少し前までは存続が危ぶまれるほど人気が低迷していました。着物を着る人が減ったことに加え、古いものが格好悪いという時代もあったからです。けれど、JAPANブームのおかげで息を吹き返しました。
基本は3ステップ
つまみ細工の基本は3ステップ。
たたむ
↓
つまむ
↓
くっつける
この地道な作業を繰り返し、1つの作品を作っていきます。素材や大きさ、色、モチーフを工夫することで世界に1つだけの美しいアイテムが完成します。基本は髪飾りとして使用されていますが、アクセサリーやバッグの飾り、洋服などに装着して楽しむ人も多いようです。
やり方次第ではこんな作品も!
つまみ細工は伝統工芸の1つということで敷居が高いように感じますが、作り方次第ではクリスマスツリーだって作成できてしまうのです。
今まで和風一辺倒だったつまみ細工の世界。海外の人たちや若い柔軟な頭を持った人たちのアイデアにより、おしゃれでキュート、そしてクールな技法へと変化を遂げています。
正統派の伝統を守りつつ現代風にアレンジする。これが文化を守っていく王道ですね。
つまみ細工は日本の伝統工芸。普段使いしても大丈夫かと少し心配になってしまいます。なんとなくハレの日に使用するイメージのあるつまみ細工。日常的に使うのはどうしたら良いのでしょうか。
成人式や卒業式、結婚式など
つまみ細工はかんざしとして使用するのが一般的です。かんざしを利用するということは和装のシーンですね。洋服での生活が一般化した現代人にとって和服は冠婚葬祭のときに着るアイテムです。
ハレの日とは人生の祝い事の日のこと。かんざしは、七五三や卒業式、入学式、結婚式、成人式などでの使うのが一般的です。
日々のアクセサリーとして
つまみ細工はカットする布の大きさや枚数でサイズが変わります。耳元を上品に飾りたいのなら小ぶりの布を使ってみてください。
現代的に仕上げるためには、スワロフスキーやビシュー、クリスタル、パールなども使用してみるとgood。ブローチや指輪、ペンダント、ピンにつけてもかわいくなります。
少し扱いは難しくなりますが、サテンを使用すると西洋版KANZASHIに近づきます。
バッグにつけてもかわいい
つまみ細工で作れるものの代表格といったら「お花」。お花のモチーフはどんなアイテムにも比較的合います。たとえば、市販のバッグにたくさんのお花をつけてみたらどうでしょうか。お花の付け方や色の選び方、大きさによっても雰囲気が異なります。
なんとなく使わなくなってしまったバッグをリメイクして生まれ変わらせても楽しそうですよね。シンプルなものこそ大変身させてみてはいかがでしょうか。
どんな材料が必要?
つまみ細工には以下のものが必要です。
◆お花のヘアピンの場合
・布
・ピンセット
・ボンド(グルーガンでも)
・洗濯ばさみ
・爪楊枝
・はさみ
・濡れふきん
・ビーズ
・カッター
・ヘアピン
・厚紙
つまみ細工ははぎれでできるプチプラな手芸です。ちりめんでなくても自宅にある布やリボンでも作ることができます。まずは気楽にチャレンジしてみてください。
つまみ方
つまみ細工は「剣つまみ」と「丸つまみ」という2つの技法を元に制作されます。剣つまみや丸つまみはとても優秀な技法で、この2つ組み合わせたりひっくり返したりすることで10種類以上のつまみができるようになります。
初心者さんは剣つまみと丸つまみがスムーズにできるようになることが上達への早道です。基本をしっかり学びましょう。
◆剣つまみ◆
剣つまみは正方形の布を1回折って二等辺三角形を作ります。その後、45度の頂点同士を合わせて小さな三角形にします。小さな三角形を真ん中でたたんで完成です。
◆丸つまみ◆
丸つまみは正方形の布を1回折っ