大量生産、大量消費がスタンダードとなりつつある現代で、”あえて”モノを持たない暮らしを選択する「ミニマルライフ」が注目を集めています。一見時代と逆行するようでいて、最先端ともいえるそのライフスタイルの実態をまとめました。
そもそもミニマルライフとは?
必要最低限のモノしか持たない、究極のシンプルライフ
出典: ja.aliexpress.com
ミニマル(minimal)とは、英語で「最小限」という意味。ミニマルライフは「必要最小限のモノで生活するスタイル」で、そういった生活を送る人々を「ミニマリスト」と呼びます。
発祥は大量消費が根付いて久しいアメリカ。2009年頃に現れた「ザ・ミニマリストズ」という二人の男性の提唱者からこのムーブメントは始まりました。
彼らは「本当の豊かさはモノでは得られない」と説き、モノにとらわれない生き方の重要性を訴えています。
日常からムダと思われるモノを排除していくと、本当に大切なものだけが残ります。そうしてさらに突き詰めると、「今あるモノ」だけでこんなにもゆたかに暮らせるということに気づかされると言います。
物欲や見栄などのしがらみからも解放され、心も体も軽やかになる。それこそが「ミニマルライフ」の本質なのです。
「節約」とどうちがう?
出典: www.africanbusinessreview.co.za
「節約」というと、生活のためにやむなく出費を抑え浪費を控えるというイメージがありますが、ミニマルライフの場合、「必要ではなくなる」ようになります。「買いたいのに買えない」と、「必要ないから買わない」では心のあり方が変わってきますね。
実際ムダなモノを買わないミニマルライフは節約にもなると言えますが、それはあくまで目的ではなくひとつの結果なのです。
そのメリットとは?
出典: tinybuddha.com
多くのミニマリストたちは、モノがなくなるにつれ心が軽くなり、頭がすっきりとしていくのを感じると言います。
確かに、たくさんの服があれば毎日のコーディネートに悩みますし、収納からあふれたモノたちは生活スペースをも占領してしまいます。
そういった「モノとの闘争」から解放されることこそ、ミニマルライフの最大のメリットと言えるでしょう。
ミニマルライフの気になるコストは……?
出典: www.retireathometoronto.com
多くのモノを必要としないミニマルライフでは、衣服や食費などさまざまな生活コストが削減されます。ある人の話では、月16万円ほどのお給料でも、都内でのひとり暮らしを送ることができるそう。
さらにいっさいのムダを省き、最低限の「衣食住」のみを考えた生活コストは「ミニマルライフコスト」と呼ばれ、ミニマリストに限らず人生設計の軸として考える人も多いようです。
自分のミニマルライフコストを知っておくというのも、生活を送る上で大切なことかもしれませんね。
え、これだけ?ミニマリストのお部屋をご紹介
ワンルームに寝袋がひとつ
出典: tsukishima-live.hatenablog.com
6畳ほどのワンルームにあるのは、寝袋とバックパックが一つずつ。まるでキャンプか山小屋のような風景ですが、これこそがミニマルな暮らしを突き詰めた結果です。
「これじゃとても生活できない」と思われる方もいるかもしれませんが、ミニマリストにとっては「これで十分」。
とは言え、ここまでたどり着くまでには少しずつモノを減らし、徐々に慣れていく必要がありそうです。
キッチン用品は1ジャンル1アイテムが基本
出典: instagify.com
何かとモノが増えがちなキッチン用品。でも、片付かない収納スペースにうんざりしているなんていうことはありませんか?
ミニマリストのキッチンは1ジャンル1アイテムが基本。たとえば包丁が一つあれば、果物ナイフ、ステーキナイフ、さらにはピーラーなども排除してしまいます。
ミニマルなツールでのお料理は、手順をシンプルにし、洗い物も少なくなるので以外と時短にもつながります。
女性ミニマリストのクローゼットをご紹介
出典: minimum555.hateblo.jp
「最低限のモノで暮らす」となると、女性にとって気がかりなのは「おしゃれができなくなる」ということではないでしょうか。
実際女性ミニマリストのクローゼットをみてみると、その数の少なさに驚きます。しかし、彼女たちはけっしておしゃれをないがしろにしているわけではありません。
ラインアップをみてみると、どれもがシンプルでコンサバティブなデザインのものばかり。そしてどことなく「上質さ」も感じられます。
出典: www.youtube.com
たとえ特別高価なものでなくとも、アイテムを絞り込むことにより洗濯やアイロンがけ、リペアなどの手入れが行き届き、少数精鋭のアイテムたちは洗練されたおしゃれなスタイルを確立させてくれます。
ミニマリストならずともちょっと見習いたくなるクローゼットです。
ミニマルライフ研究会って知ってる?
ミニマルライフ研究会とは
いち早くミニマルライフに注目し、すでに日本で始めていた10人のミニマリストたちの声を集めて出版した「ミニマルライフ研究会」。
モノを捨てようとしたきっかけ、少ないモノで暮らす工夫などはまさに10人10色。そうしたミニマリストたちの生活を通して、経済に左右されない豊かで洗練された暮らしを提案しています。
「何もない部屋」で暮らしたい
10人の日本人ミニマリストたちをインタビュー形式で取材し、写真とともに綴った一冊。
実際に暮らしている部屋も見られるので、生活の中にミニマルライフを取り入れる参考にもなります。
シンプルで洗練されたインテリアやミニマリストたちの人生観など、ミニマルライフを目指す人以外にも目からウロコの内容です。
¥1,188 (税込)
ミニマルライフを知るためのおススメブログ
洗練されたミニマルライフが綴られたブログ「Minimal&ism」
出典: minimalism.jp
クリエイティブディレクターの沼畑直樹氏と、編集者の佐々木典士氏の二人がミニマリズムについて綴るブログ。
佐々木氏はテレビや雑誌などさまざまなメディアの取材を受ける日本人ミニマリストの代表的な存在。
モノをなるべく持たないことは、楽しい。沼畑直樹
ミニマリズムについて考えることは、幸せをもう一度考えてみることだ。佐々木典士
確かな文章力で記された日記のようなブログには、新鮮でありながらどこか共感できることばがちりばめられています。
女性目線で書かれたシンプルライフの過ごし方「シンプルライフ×シンプルスタイル」
出典: xn--eckub9eg4gl8c.jp.net
筆者自身、自分にとってちょうど良いミニマリズムを探しながら、「シンプルな生活」をめざし創意工夫している姿を綴ったブログ。
特にお洋服のセンスが素敵で、シンプルながらポイントをおさえたコーディネートは是非参考にしたいものばかり。
「靴やかばんでコーディネートの変化を楽しみたいから」などの理由でけして無理して減らすことをせず、「ほどよい」ミニマルライフを楽しんでいる様子がうかがえます。
ミニマルライフを知り尽くせる本をご紹介
アイム・ミニマリスト
「タイニーハウス」と呼ばれる、最小限のモノだけそろった小さな家に住むミニマリストたちを取材してまとめた一冊。
住まいを小さくすることで、暮らしをシンプルに再編集し、自由にのびのびと生きる。そんな生活を実践している人々から「軽やかに生きる」ヒントが得られます。
¥1,620 (税込)
限りなくシンプルに、豊かに暮らす
「禅の庭」をデザインする、住職であり庭園デザイナーである筆者が、「何も無いこと」により感じられる「心地よさ」について綴った一冊。
ムダと思われるものを排除すると、必然的に本当に大切なものが浮かび上がる。そうして残ったものを慈しむように暮らすことで、お金では得られない豊かさを得ることができるのかもしれません。
¥1,080 (税込)
こんな映画もおススメ
365日のシンプルライフ
出典: hasikko.exblog.jp
彼女に振られ、憔悴しきった主人公のペトリ。モノであふれかえった部屋にうんざりした彼は、自分の生活をいったんリセットする「実験」を試みます。
自分の持ち物をいったんすべて倉庫に預け、一日に一つだけもちかえる。そんな生活の中、ペトリは「今の自分に本当に必要なモノ」や「モノと自分の関係性」を見つめ直していく。
実はこの映画、主演を務めるペトリ・ルーッカイネンの実体験を元にしたもの。それだけにリアルで、嘘偽りの無いストーリーや描写は必見です。
ミニマルライフを目指す上で気をつけたいこと
雑多な街やオフィスでストレスを感じてしまうことも
出典: www.personneltoday.com
ムダなものを極力削ぎ落したシンプルな空間は、人の感覚を研ぎすまし、ともすれば神経質に変えてしまうこともあります。
そうなると、街にあふれる広告やBGM、こまごまとしたモノであふれかえったオフィスなどでストレスを感じてしまうようになる恐れも。
そうならないためには、あくまで「自分の部屋の外と中の生活は別のものである」と切り離して考えるようにしましょう。
災害時の備えはしっかりと
出典: www.higasiguti.jp
普段から最小限のモノしか持たないミニマルライフは、災害時に弱いと言う難点があります。
「最低限」にこだわるあまり、非常時の備えまで削ぎ落してしまってはいざという時に生死に関わります。
たとえ普段の持ち物がバックパック一つに収まるとしても、もう一つ災害用のバックパックを用意しておく必要があります。
「ミニマルにすること」にこだわりすぎてはいけない
出典: nyaaat.hatenablog.com
ミニマルライフを目指す人々が陥りやすいのが、「ミニマルにすること」自体にとらわれてしまうということ。
モノを減らすというのは、あくまで快適に過ごすための手段であり目的ではありません。
この画像は、「海外のミニマリストが火事の時に持ち出すもの」というテーマで撮られた写真。見ての通りぼろぼろのぬいぐるみやロボットのおもちゃなど、一見不要なものも混ざっています。
しかし、何が大切かはその人によって違います。モノをなくすことにこだわるあまり、大切なものを見失ってしまうことの無いようにしたいですね。
必要最低限のモノしか持たない、究極のシンプルライフ
出典: ja.aliexpress.com
ミニマル(minimal)とは、英語で「最小限」という意味。ミニマルライフは「必要最小限のモノで生活するスタイル」で、そういった生活を送る人々を「ミニマリスト」と呼びます。
発祥は大量消費が根付いて久しいアメリカ。2009年頃に現れた「ザ・ミニマリストズ」という二人の男性の提唱者からこのムーブメントは始まりました。
「節約」とどうちがう?
出典: www.africanbusinessreview.co.za
「節約」というと、生活のためにやむなく出費を抑え浪費を控えるというイメージがありますが、ミニマルライフの場合、「必要ではなくなる」ようになります。「買いたいのに買えない」と、「必要ないから買わない」では心のあり方が変わってきますね。
実際ムダなモノを買わないミニマルライフは節約にもなると言えますが、それはあくまで目的ではなくひとつの結果なのです。
そのメリットとは?
出典: tinybuddha.com
多くのミニマリストたちは、モノがなくなるにつれ心が軽くなり、頭がすっきりとしていくのを感じると言います。
確かに、たくさんの服があれば毎日のコーディネートに悩みますし、収納からあふれたモノたちは生活スペースをも占領してしまいます。
そういった「モノとの闘争」から解放されることこそ、ミニマルライフの最大のメリットと言えるでしょう。
出典: www.retireathometoronto.com
多くのモノを必要としないミニマルライフでは、衣服や食費などさまざまな生活コストが削減されます。ある人の話では、月16万円ほどのお給料でも、都内でのひとり暮らしを送ることができるそう。
さらにいっさいのムダを省き、最低限の「衣食住」のみを考えた生活コストは「ミニマルライフコスト」と呼ばれ、ミニマリストに限らず人生設計の軸として考える人も多いようです。
ワンルームに寝袋がひとつ
出典: tsukishima-live.hatenablog.com
6畳ほどのワンルームにあるのは、寝袋とバックパックが一つずつ。まるでキャンプか山小屋のような風景ですが、これこそがミニマルな暮らしを突き詰めた結果です。
「これじゃとても生活できない」と思われる方もいるかもしれませんが、ミニマリストにとっては「これで十分」。
とは言え、ここまでたどり着くまでには少しずつモノを減らし、徐々に慣れていく必要がありそうです。
キッチン用品は1ジャンル1アイテムが基本
出典: instagify.com
何かとモノが増えがちなキッチン用品。でも、片付かない収納スペースにうんざりしているなんていうことはありませんか?
ミニマリストのキッチンは1ジャンル1アイテムが基本。たとえば包丁が一つあれば、果物ナイフ、ステーキナイフ、さらにはピーラーなども排除してしまいます。
ミニマルなツールでのお料理は、手順をシンプルにし、洗い物も少なくなるので以外と時短にもつながります。
女性ミニマリストのクローゼットをご紹介
出典: minimum555.hateblo.jp
「最低限のモノで暮らす」となると、女性にとって気がかりなのは「おしゃれができなくなる」ということではないでしょうか。
実際女性ミニマリストのクローゼットをみてみると、その数の少なさに驚きます。しかし、彼女たちはけっしておしゃれをないがしろにしているわけではありません。
ラインアップをみてみると、どれもがシンプルでコンサバティブなデザインのものばかり。そしてどことなく「上質さ」も感じられます。
出典: www.youtube.com
たとえ特別高価なものでなくとも、アイテムを絞り込むことにより洗濯やアイロンがけ、リペアなどの手入れが行き届き、少数精鋭のアイテムたちは洗練されたおしゃれなスタイルを確立させてくれます。
ミニマリストならずともちょっと見習いたくなるクローゼットです。
「何もない部屋」で暮らしたい
10人の日本人ミニマリストたちをインタビュー形式で取材し、写真とともに綴った一冊。
実際に暮らしている部屋も見られるので、生活の中にミニマルライフを取り入れる参考にもなります。
シンプルで洗練されたインテリアやミニマリストたちの人生観など、ミニマルライフを目指す人以外にも目からウロコの内容です。
¥1,188 (税込)
洗練されたミニマルライフが綴られたブログ「Minimal&ism」
出典: minimalism.jp
クリエイティブディレクターの沼畑直樹氏と、編集者の佐々木典士氏の二人がミニマリズムについて綴るブログ。
佐々木氏はテレビや雑誌などさまざまなメディアの取材を受ける日本人ミニマリストの代表的な存在。
モノをなるべく持たないことは、楽しい。沼畑直樹
ミニマリズムについて考えることは、幸せをもう一度考えてみることだ。佐々木典士
確かな文章力で記された日記のようなブログには、新鮮でありながらどこか共感できることばがちりばめられています。
女性目線で書かれたシンプルライフの過ごし方「シンプルライフ×シンプルスタイル」
出典: xn--eckub9eg4gl8c.jp.net
筆者自身、自分にとってちょうど良いミニマリズムを探しながら、「シンプルな生活」をめざし創意工夫している姿を綴ったブログ。
特にお洋服のセンスが素敵で、シンプルながらポイントをおさえたコーディネートは是非参考にしたいものばかり。
「靴やかばんでコーディネートの変化を楽しみたいから」などの理由でけして無理して減らすことをせず、「ほどよい」ミニマルライフを楽しんでいる様子がうかがえます。
アイム・ミニマリスト
「タイニーハウス」と呼ばれる、最小限のモノだけそろった小さな家に住むミニマリストたちを取材してまとめた一冊。
住まいを小さくすることで、暮らしをシンプルに再編集し、自由にのびのびと生きる。そんな生活を実践している人々から「軽やかに生きる」ヒントが得られます。
¥1,620 (税込)
限りなくシンプルに、豊かに暮らす
「禅の庭」をデザインする、住職であり庭園デザイナーである筆者が、「何も無いこと」により感じられる「心地よさ」について綴った一冊。
ムダと思われるものを排除すると、必然的に本当に大切なものが浮かび上がる。そうして残ったものを慈しむように暮らすことで、お金では得られない豊かさを得ることができるのかもしれません。
¥1,080 (税込)
365日のシンプルライフ
出典: hasikko.exblog.jp
彼女に振られ、憔悴しきった主人公のペトリ。モノであふれかえった部屋にうんざりした彼は、自分の生活をいったんリセットする「実験」を試みます。
自分の持ち物をいったんすべて倉庫に預け、一日に一つだけもちかえる。そんな生活の中、ペトリは「今の自分に本当に必要なモノ」や「モノと自分の関係性」を見つめ直していく。
実はこの映画、主演を務めるペトリ・ルーッカイネンの実体験を元にしたもの。それだけにリアルで、嘘偽りの無いストーリーや描写は必見です。
雑多な街やオフィスでストレスを感じてしまうことも
出典: www.personneltoday.com
ムダなものを極力削ぎ落したシンプルな空間は、人の感覚を研ぎすまし、ともすれば神経質に変えてしまうこともあります。
そうなると、街にあふれる広告やBGM、こまごまとしたモノであふれかえったオフィスなどでストレスを感じてしまうようになる恐れも。
そうならないためには、あくまで「自分の部屋の外と中の生活は別のものである」と切り離して考えるようにしましょう。
災害時の備えはしっかりと
出典: www.higasiguti.jp
普段から最小限のモノしか持たないミニマルライフは、災害時に弱いと言う難点があります。
「最低限」にこだわるあまり、非常時の備えまで削ぎ落してしまってはいざという時に生死に関わります。
たとえ普段の持ち物がバックパック一つに収まるとしても、もう一つ災害用のバックパックを用意しておく必要があります。
「ミニマルにすること」にこだわりすぎてはいけない
出典: nyaaat.hatenablog.com
ミニマルライフを目指す人々が陥りやすいのが、「ミニマルにすること」自体にとらわれてしまうということ。
モノを減らすというのは、あくまで快適に過ごすための手段であり目的ではありません。
この画像は、「海外のミニマリストが火事の時に持ち出すもの」というテーマで撮られた写真。見ての通りぼろぼろのぬいぐるみやロボットのおもちゃなど、一見不要なものも混ざっています。
コツ・ポイント
モノを減らし、本当に大切なものだけに囲まれて暮らすミニマルライフ。完全なミニマリストになるのは容易いことではありませんが、日常を豊かにするヒントとして少しだけ取り入れてみるのもいいかもしれません。きっとなにかが変わるのを感じられるのではないでしょうか。